□月 ●日  No1160 流星群観測


幻想郷で流星群が観測されるとあって、観測機材を持ち込んで天体ショーを観察することにする。
幻想郷の空気は綺麗なのでかなり美しい流星群が観測できるであろう。
しかし、幻想郷で流星群は色々大問題だったりする。


流れ星に願い事をすると願いが叶うとよく言われる。
勿論根拠があるわけではないのだが、願い事をする人が増えると
これが結構洒落にならない効果を及ぼすのである。
謂われが加速すると、幻想郷でちょっとした歪みが起こるのだ。


人間の願いというのはエゴが結構絡んでくる。
これらが叶う場合何が起こるのか。
実はささやかな結果しか生まない場合が多い。
皆のエゴが衝突し合って妥協点で落ち着いてくれる。
だが、正しく発動しない場合もよくある。 
確かに願い通りの結果になるが正しく発動しないケースがあるのだ。
簡単な例を言えば王様になりたいと願ったら孤独になるといった具合。


これらを観測するのが厄神様のお仕事らしい。
幸福を願うことを厄というのはとても興味深い話である。
案外厄というのはそんなものであるかもしれない。


流星群をみんなで観察していると、突然流星が花火のように破裂したではないか。
一体何が起こったんだとばかりに皆が騒然となる。
厄神様が取り乱して大変なことになっていた。 何人かで彼女を取り押さえる。
私はというと、誰がやったのか見当がついたので発生原因に向かって歩みを
進めていた。


脱走したデスマシン妹君だった。
綺麗でしょと言うので、とりあえず同意しておいた。
流星群に願いをすると願いが叶わなくなると言ったら
破裂した破片の数だけ願いが叶うと言われて思わず笑みがこぼれてしまった。
成る程彼女らしい答えだ。


厄神様が取り乱したのは大量の破片が発生した事による
捕捉した謂れの大量発生だったことがわかったのは数時間後のこと。
分かってしまえば別にどうって事もなかったので
しばし天体ショーを楽しむことにする。