□月 ●日  No1169 トリック・オア・トリート


ハロウィンである。
修羅場である。海外から流入した幽霊どもが大騒ぎして困る。
困ったことに連中はあまり言葉が通じない。 身振り手振りしてわかってくれればいいだろうが
お菓子くれないと悪戯するぞというのはものは言い様である。
言葉が通じなければ物で釣れって意味なのかもしれない。


米帝から行儀の悪いゴーストどもを捕獲する民間会社の連中がやってくる。
誰がみても怪しい、いかがわしい連中だ。
安っぽい変な機材を背中に背負い、ビームを発射することができる。
人間も弾幕ごっこができるようになったのかと感心したが、このビームは所謂トラクタービームの類らしい。
ゴーストどもの動きを止めて捕獲することができるという。


私でも使えると言うことで少しだけ扱わせてもらったが、
ビームはまっすぐ飛ばなくてかなり扱いにくいことがわかった。
しかもビームを発射しているはずなのに若干反動がある。 ショックアブソーバーがついていたから
実際には結構なショックがかかるのだろうと思われる。


結局ビームを絶対に交差させてはいけないのだそうですぐに取り上げられた。
ビームが交差するとなぜか大爆発を起こすのだそうだからかなり恐ろしい。
しかしこのビーム兵器は超大型妖怪に対しても有効だということだからなかなか侮れないと思う。


さて、今回の騒ぎでなぜか地霊殿の主人が出張っていた。
彼女が一体何をするのかと思っていたら、ゴーストときちんと意思疎通をしているではないか
言葉が通じないのではと彼女に聞くと、確かに言語野をみただけでは各国の言葉で
話しているのでトレースしづらいらしい。 そこでイメージとセットでみてから
相手の言語野にあるライブラリで話すらしい。
なかななか器用なことをすると思う。


新入社員が本当に悪戯してくるカボチャ相手に四苦八苦していた。
多少のセクハラはこの際目を瞑らないとだめだ。
もっともされたくても期待通りにならなくて涙目になっているものもいるので
一概に言うことはできない。


結局、民間幽霊退治会社の連中は普通に仕事をして帰ってくれた。結構な数の不良ゴーストを捕獲することができた。
色々大変ではあるが、幻想郷は概ね平和である。