謎の木箱を運び入れる作業を行う。
この暑いさなか謎の防護服を渡されて目張りまでさせられる。
蒸すとかなんとか言ってる場合ではない。
こうしないと酷い目に遭うからだ。
服の中には水が循環する仕組みとなっているので熱中症はなんとか回避可能だ。
目的地に到着、羽音と共にあの場所へと足を踏み入れる。
お迎えは大量の蜂。 そうここは養蜂場である。
蜂蜜を取るためにあるあれだ。
幻想郷において甘味といえば何と言っても蜂蜜である。
幻想郷では、明治政府の施策が悉く破壊されたがこと養蜂に関しては明治政府の方針が
妖怪達によって引き継がれた。 妖怪達も甘味が欲しかったと言えるのか。
実は幻想郷において蜂蜜の使用目的は顕界のそれよりも遙かに多岐にわたる。
所謂建築資材としての利用方法から医薬品としての利用方法もある。
幻想郷では弾幕を防御するための防具まわりで使われる場合がある。
テフロンみたいな存在だと思うと大体説明が付くかも知れない。
幻想郷において虫妖怪たちの助けにより蜂の生態はかなり早く解析が進んだ。
幻想郷にありながらその飼育システムは顕界のそれと殆ど変わらないレベルである。
幻想郷の場合蜂蜜の素となる菜の花開花を制御できる風見女史がいることが
養蜂をさらに効率化させる原動力となっている。
さて、私が完全武装している理由を話すとこうだ。
実は幻想郷の蜂のうち妖怪になりかけている存在が結構居たりするのである。
そうなると、どうなるかって。
多少なりとも弾幕をぶっ放す奴が居るわけだ。 最悪だ。
個体数はとても少ないので生態系を壊すほどの影響力は少ない。
よって納品活動をしてサインを貰ったらさっさとその場から離れるのが一番だ。
お土産で貰える蜂蜜はトーストに付けて食べている。
顕界と違って高価だが、それくらいの贅沢はしてもいいかなと思う。
北白河や岡崎、浅間はすぐに換金するらしい。
売って欲しいものを買った方が良いと思うのはある意味仕方ない。
好意は普通に貰った方が良いと思うのは私だけなのだろうか。