□月 ●日  No1515 ヤマメのテクニック


そろそろ健康診断の季節と言うことで、うちの会社の連中も健康診断を受けるわけだが
そもそもうちの会社の健康診断の恐ろしさは悪いスコアが出たらすぐになんかしらの
措置を受ける羽目になることだ。 半ば強引に健康にされる。
病気を理由に云々はうちの会社では少なくても通用しない。


風邪を引いたとしよう。するとお節介な妖怪が、薬を処方してくれる。
いずれも効果はてきめんであり、本当に治るのだから困る。
風邪を引いて会社を休んでも病院へ行く必要がないのは本当に安上がりだ。
健康保険はほとんど家族のためにあるようなものだと言ってもよい。


会社に出入りしている社員の子供もよってたかって魔改造もとい
薬を処方される。 あまり度を超しているので会社で規制が入った。
まあ、病気を治す薬ならいざ知らず、記憶力を向上させる薬とか
運動神経を向上させる薬などはもはやドーピングの域であり
楽をするために薬を飲ませるのは誰が見ても良くないことである。


うちの社員の一人が微量ながら血便が出たと言うことで
入院するかどうか悩んでいたら、ヤマメ女史がただの癌だから大丈夫と
言われてひっくり返っていた。
癌保険貰わなきゃと言っていたが、ヤマメ女史は癌程度でじたばたするなという。
早く見つかった早期癌は顕界の技術でも割と簡単に除去できる。
てっきり日帰り手術コースだと思いきや、ヤマメ女史が取り出したのは
蜘蛛型の式神


嫌がる社員を皆で押さえつけ、式神はおしりから侵入。 
ここでわかったことは「アーッ」なんて言わないことだ。
痛いのだろうウンともスンとも言わない。


程なくして、何か通信機能でもあるのかヤマメ女史が「除去完了 解放して宜しいという。」
式神はどうなるのですかと涙ながらに言う社員。
排泄物と一緒に出てくるから大丈夫だというヤマメ女史。


とりあえず言えることは健康に気をつけようと言うことである。
直ぐに措置されたらそれこそ洒落にならないからだ。
手遅れと言うな。