□月 ●日  No1516 電源障害


自称現人神の家で停電になったというので原因を探ることになる。
停電といっても自家発電機能が働いているので致命的な状態にはならないのだが
トイレの脱臭機能が働かないとおねえさんが文句を言っているので何とかしないとならない。
自称現人神は臭いとりスプレーを使っている。


幻想郷には電信柱と電線がない。 
自称現人神の家に井戸が掘られており、その井戸から地下ケーブルを格納するトンネルが
掘られている。ケーブルは幻想郷チックに御札で被覆されており、それで妖怪や虫たちなど
から身を守る仕組みとなっている。
ここの終端ボックスの配電盤にある値を確認すればケーブルのどこで障害が起こっているのか推測できるわけだ。


電信柱と電線が無い理由は割と単純だ。 油断すると身体に絡まるし、激突したら墜落するし、
首に巻き付いたらあの世逝きになってしまうからである。
高速飛行時は妖怪であっても視野が狭くなるので、電信柱や電線は危険な障害物にしかならない。


そして、こうした電信柱は多くの場合弾幕ごっこに巻き込まれて破壊されることも少なくない。
その都度修繕したりすると多額のお金が掛かってしまう。
ならば最初から埋設した方がいいと考えるのは当然の帰結であろう。


ケーブルの損傷箇所はすぐにわかった。
どうやらネズミがかじってしまったらしい。多分顕界出身で御札をあまり有り難がらない
ナズ軍曹の手勢ではないかと疑っている。
一説には電磁波が妖怪を狂わせているという説もあるにはあるが真偽は不明である。


さて、トイレの異臭だが、実はトイレからは異臭が漂っているわけではない。
トイレは内部に水を溜めたトラップがあって排水から臭いが持ち上がるのを防いでいる。
この臭いは、電力不足によって浄化槽の機能が低下したために処理能力オーバーフローを
起こしているものと思われる。


電源を回復した後は、外の土を適当に入れてスイッチを入れる。
駄目なら一度くみ取りをしないと駄目だろう。
バキュームカーがない幻想郷でそれはかなり大変だが、一応目処は立っていると言うので
当面様子見である。