□月 ●日  No2176 食べることに関するリソース


妖怪というのは実に狡猾な生き物であって、そうでなければ生き延びられない。身体能力が高くても基本的に妖怪は弱者にも強者にもなりうる。
顕界において妖怪も餓死する現場を目撃する場合もあるし、なかなかどうしてままならないというのが実情だ。


ここで意外なことに気付くが、実は幻想郷になかなかなじめなかったのは自称現人神だけではない。
おねえさんもケロちゃん帽の神様のほうが遥かにメンドクサイことになっていたことをここに白状しておこう。
妖怪だって幻想郷の不便さには辟易するのである。想像以上に不足している生活物資や、食べ物の前に話が違うと思うことしきりだ。
顕界ではなんだかんだ言って季節を無視して食糧がが手に入る。 
この季節にはこの食べ物というのは、売る側の都合ではなくこれしか食べられなかった時代の知恵に過ぎない。


自称現人神はこの当時そうそうにリタイヤした。戦線に入れるまで相当の時間を要したのである。
外部からの通信状態の確保にも力を入れた。顕界はそれだけ通信状態も優れている。徐々にインフラを減らすことになるが
この辺の移行作業は意外と早く終わった。 食糧の確保のためにかかる時間が想像以上に長いからだ。
見かねて周辺の妖怪が食べ物がありそうな場所を説明するのだが、最初はこれが食べられるかを判断するのが困難である。
特にきのこ類は失敗したら確実にあの世行きだ。


顕界からやってきた人間が大体躓くのがこの食糧確保である。
はっきり言うが絶望しかない。顕界の情報も知恵もここでは通用しない。
メリーたちが行うパスワーキングがとても有効なのはこの辺である。ある程度幻想の世界に体を合わせられないと
確実に彼の世に行ける。


自称現人神は徹底して幻想郷行きの訓練をした人間だがこのありさまだ。
正直軍隊の訓練でもしないとたぶん幻想郷で生きるのは困難だ。 最低限の食料を持たせて山に放つというあれだ。
サバイバル知識があって初めてあの手の軍隊はやっていける。
これがおねえさんとケロちゃん帽の神様に降りかかったとあれば、いろいろな意味でクレームが出るのは必定だ。


彼女たちが変な発電所を作ろうと考えたのは自分の信仰を集めるより自分たちの生活のためであるという
なんとも身もふたもない結論に達するのである。
いや、幻想郷にいったらまず無理ですから。