□月 ●日  No1590 幻想郷の正月風景


幻想郷内ではすでに正月ムードから通常業務に移行している今日この頃。
あちらこちらで新年の挨拶をしながら色々話をしているという案配。


幻想郷では基本的に正月休みは1〜3日である。
従って、どうしても顕界の一般企業と比較すると2〜3日のギャップが発生する。
つまりこの間の注文は基本的に在庫で乗り切る必要があるということだ。
おせちも日持ちをする物を作っているもののこの時期で大体物が尽きる。


去年も兎たちが大忙しだったが、ブレザー兎の話によれば餅は縁起物と言うより
調理済みの米としての意味合いが強いのだという。
幻想郷で御飯を炊くのは大事であるというのは説明の通り、朝日が昇る前から
御飯を炊き始めないと握り飯にありつくことはできない。
しかし餅なら洗って焼けばそれでできあがりである。
幻想郷住民にとって最大のものぐさアイテムが餅なのだ。


しかも基本的に大晦日は徹夜と決まっているのが幻想郷である。
よって正月はまず寝正月と決まっている。
妖怪達が祭り囃子をならして祝い、妖怪共々寝正月が基本形というわけである。
だから正月元旦午前中は人間も妖怪もみんな動いていないと来ている。
例の神社だけががっちり開いているのだが、午前中は参拝客が来なくて
驚いたと言っていた。


さて、幻想郷の主婦最初の仕事と言えば七草がゆの材料集めである。
もっとも最近は妖怪達が集めて回ってそれを売っているケースが多い。
この時期の妖怪は新年の浪費でお金が殆ど残っていない。
だから七草がゆの材料集めでお金を少しでも稼ぐのである。


最近はうちの会社で七草をあらかじめ仕入れて、売っている妖怪がいるが
果たして儲かっているかどうかは疑問である。


今年の幻想郷の正月も概ね平和というべきだろうか。