□月 ●日  No1606 テラー


風邪引いて倒れた。最初は関節の痛みから始まっていたので
もしかすると何処か痛めたのかと思っていたが、熱が出てきていよいよまずくなった。
顕界で感染して幻想郷で発症したと考えられることから現地法人で自室待機を命じられる。
薬屋の薬が届くまでの間、可能な限り寝ておいて体力回復に集中したいと思う。
もちろん、その願いが届くことは無いのだが。


ここでヤマメ女史がやってくれば概ね問題は解決すると思うのだが
あいにくと彼女は公務中でここにやってくる可能性は限りなくゼロに近い。
配送作業はすでに他の人に振っているため安心だが、だからこそ危険すぎる。
今日の配送先は幻想郷でトップクラスのお節介焼きだからだ。


そして、一番知られたくない奴がやってきた。
とりあえず、いない振りをしたが多分無駄だろう。
やがて、ドアのレバーハンドルがひしゃげる音がする。
ドアの丁番が割れてドアが外れ、頭を抱える里香女史。
そしてやってきたのは朝倉と大師様のババアコンビだ。
もういいだろう。 こいつら二人そう呼んでも。


最早逃げる気力も沸かず、諦めて倒れる。
後ろから里香女史が突っ込みを入れた。どうやら私はインフルエンザにかかっていたらしい。
インフルエンザってなんですかと聞く大師様が朝倉に退場させられた。
後にはドアが壊れて冷風だけが吹き込んでくる。
余計に体調が悪くなりそうだ。


結局ヤマメ女史が薬を持ってきて、私は落ち着いたが
後に正座して下を向いている二人組の姿を見たのだった。
助かったと言うべきだろうか。