□月 ●日  No1655 不測の事態


株式会社八雲商事は幻想郷に物資を運ぶ為の会社である。
しかし、顕界に大きなトラブルが発生して物資が運べないまたは顕界で物資不足に陥り物資輸送が
滞った場合、幾つかのフェイルセーフ機能が存在する。


一つ目は点在する八雲商事商品倉庫を投入する手段。こちらは新鮮なものが必要な場合は不可能なのだが
最小限の生活物資などを投入することが可能である。
ここでいう点在とは海外にある倉庫のことも指している。


もう一つの切り札は論理倉庫と呼ばれているものだ。こちらは弾幕格納機能を利用して
商品倉庫とする仕組みである。商品のサイズには制限があるので保存食などを運ぶのに利用される。
論理倉庫はスペルカードで展開できる上、所謂隙間妖怪がもたらプリセットされた空間の境界に物資を
運び入れる方法で。幻想郷で物資を引き出すのが比較的容易である。 
香霖堂でも一度この方法は使われているが、在庫管理システムとリンクしているため勝手に引き出されると
色々問題となる代物だ。


という、社内研修だったのだが、もちろん使わないに越したことはない。
ちなみに列車は基本的にディーゼルエンジンで動くため電力が無くても取り敢えず動くが
こちらも最後の手段として、ミニ八卦炉と同じ動力源を数機搭載し、それで自家発電するという
切り札が用意されている。
この切り札は列車は丸数日は動かせるという代物で、幻想郷で災害が起こらない限りは
現地でチャージできる。


一つ言えるのは、顕界で何かあってもとりあえず幻想郷に影響を与えるのは
それほど大きくないということだ。冥界と中有の路とか三途の河あたりは大忙しになるかも知れないが
その場合は以前発生した異変の通りである。