□月 ●日  No1701 商品の流れ


株式会社八雲商事 ここは幻想郷に物資を運ぶ企業である。今回はその業務を
紹介してみよう。


幻想郷住民から個別注文を受けるものと常に消費される物資で対応は変わってくる。
個別注文を受けた場合は、協力企業である商社に商品を注文することになる。
メーカーに注文する場合もあるが、伝票処理が複雑になるので基本は商社への
注文となる。


商社への注文は掛け率表を見て定価と原価を確認して行う。
あまり高い場合は代用品を探すか、掛け率を相談するかの二択となる。
だいたいの場合は代用品を用意することになるが最近幻想郷にやってきた
妖怪や人間相手の場合は商品が簡単に見破られるので、おおむね交渉となる。


商品が決まったら発注業務となる。注文するのは事務の人間となる。
幾つかの商品はメーカー直結のシステムを用いて注文する。
直結のシステムを利用するとあちらの在庫がつぶさに確認できる。
大口の商品確保には欠かせないが、顕界で何かあった場合は顕界が優先となる。


ブツがきたら一度集荷場に運び込まれてそこでコンテナに積み込まれる。
それをやるのが商管だ。一度箱でやってきた商品を専用のプラスチックケースに
梱包。それをパレットに乗せビニールバンドでぐるぐる巻にしてコンテナ積み
されることになる。
コンテナは貨物列車に運び込まれ、そのまま幻想郷へと向かう。


コンテナは現地で開封、パレットを解いて商品をスペルカードに転送する。
転送作業は夜通し行われる。自動化されているからそれほど面倒ではない。


そして納品。一回現地に運べば力持ちの妖怪がパレットごと移動してしまう。
フォークリフトを使えよと思うが、使うのは現地の鬼たちばかりだ。
奴らは真っ先に免許を取得していった。


こうして物資は幻想郷へと届けられる。
幻想郷に運び込まれた物資は普通に市場に流れ、一般生活に溶け込んでいくのである。