□月 ●日  No1762 迷子怖い


幻想郷では空を飛ばない限り、確実に迷うという問題がある。
特定場所では妙な結界があって幾ら歩いても前に行かなかったり方向感覚が崩れたりする。
迷いの竹林などはその好例。中有の道も順路を通れば迷わないが逆送したり、
横のルートを通ると途端に迷う。


これらの問題に対応するために八雲商事にはGPS付きの端末が渡される。
カーナビの様にリアルタイムに表示されるモノではないが自分が何処にいるのかは
十分把握できるので便利だ。


それを支える衛星も余裕を持って幾つか設置されている。デスマシン妹君が
戯れに破壊した星というのはこの衛星だったのだが、それ以降は壊してはいけないものと
理解したらしい。たぶん我々の仕組みをそのまま教えた人がいたのだろう。
デスマシン妹君に関しても基本的に道理は通るというのが最近の見解である。
最近はすべてを分かっていて道理を潰しに掛かってくる困った人がいるので
そういう連中と比較すればずっとマシってものだ。


GPSアプリケーションは想像以上に扱いやすいのだが、問題がないわけではない。
実は仕事中にアプリケーションがフリーズを起こして肝を冷やした。
たまにだがそう言うときがある。再起動すれば大体直るのだがどういうわけか
この日に限ってまともに直らなかった。


仕方がないので付近を飛んでいた鴉天狗に助けをお願いして
高々度を移動して脱出に至った。
どうやら磁気が強い場所があるそうで、そこではカメラも不調になるとのこと。
端末の磁気シールドを強化すると重さが増えるとのことなので
なかなか改善できないらしい。


そういうわけで幻想郷はちょっと油断すると我々でさえ危険な目に遭うのである。
怖い怖い。