□月 ●日  No1784 守護霊と言う名のウォッチャー


寂しいと言う理由で亡くなった人を呼んでいるアホを止める。
お盆が近くなるとそういう人が増えるのだが確実に持って行かれるので
絶対よした方がいいというのが基本定説だった。


しかし、事実はどうも違うらしい。連れて行っているのは別の何かで
大体の場合、会いたいと言っている人は止めに入っているとのこと。
基本的になくなった人は恨みでも持っている場合でもない場合
本人の幸せを願うとか、一緒に遊びに行くとか、風呂を覗くとかしているわけで
断じて相手が不幸になることを願っているわけではない。


男女間になるとややどろどろし出すが、面白いのは基本的にゲス野郎に
直接手を下す幽霊が殆ど居ないこと。大体の場合は最後にとどめを刺すようだ。
幽霊の一人に話を聞くと転落していく人生のウォッチの方が楽しいという。


というわけで亡くなった人を呼び出す行為は大体徒労に終わる。
なぜなら概ね近くにいることが多いからだ。では呼び出すために使ったリソースは
どうなるかというとほかの変な妖怪の依り代になるってわけだ。


何度か死んでいるとそういう話も色々聞いてしまうわけで
なかなか面白い。恨みを持って死んだ人もよほどのことがないと
顕界にとどまらないという話もよく聞かされるわけで、むしろ顕界に
とどまろうとしているのは恨みよりもむしろ楽しい催しの時のほうが
多いのも面白い。 どんなに悲しい祭りでも楽しい祭りに変節するのは
どうもそれらが作用しているからのようだ。


というわけで亡くなった人を呼ぶのなら残った人が楽しく暮らした方が
上手くいくわけで、幽霊も陰気くさいところにはわざわざ来ないのである。


以上 未だに冥界からのレポートでした。