□月 ●日  No1832 異変前の出来事


ある大物妖怪が次世代型の弾幕システムの発注をしてきたのでそれが社内でも大きな騒ぎに
なっている。 幻想郷内でも不穏な動きが広がっているし、そろそろ大きな予算を動かしたい
八雲商事の思惑が相まってこの案件は承諾された。
完成すれば、今までにはない弾幕を搭載することができるようになるだろう。すでに朝倉が
試作型を発送しているとのことである。時間があまりないようだ。


さて、一応だがゾンビの逆アセンブルもほぼ完了したらしい。
製造方法が古いというのが周囲の意見だった。たぶん我流でくみ上げたのだろうとのこと。
ところどころに無駄な儀式が生んでいるノイズが混じっているので、ゾンビの動きが大きく制限
されているらしい。


命令を聞く程度の高い知性をもっているのはそれなりに評価できる部分だが、真の「逝き」が
良いゾンビは知性も動きも全く制限されないというのが、綿月依姫の意見。
その意見を総合すると「蓬莱の薬」の実態が色々見えてくるような気がするのだが、
それは言わない方が色々幸せな気がしてくる。


それにしても、もしこいつを野放しにすれば色々危険すぎるだろう。
博麗の巫女あたりに出撃させて、どさくさ紛れて暗殺できないかというレベルまで話が出ている。
実際問題すでに被害が出始めているが、今のところ被害に遭っているのは命蓮寺に漂っている
霊魂たちのようである。地底から吹き出した霊魂もセットで集まっているようで
そいつがもたらしている重金属を触媒にして術を執り行っているのだろうという結論になった。
この情報は博麗神社に住んでいる仙人様の話である。


と、いうことで本件は異変として取り扱われ、うちの会社も厳戒態勢へ移行することになった。
ところでこの術者に誰がスペカを配達するのか?
恐怖の貧乏くじが今始まる。


結末は・・・聞くな。