□月 ●日  No1833 こいつは本物のワルだ。


というわけで、首の調子がおかしいという綿月依姫を連れて妙蓮寺に到着。
聞けば例月祭の時にものすごいポーズで寝てしまい首を寝違えたらしい。
薬屋の薬で一応痛みは引いているという。


キョンシーの知性が低すぎて先日ふん縛っていたのを忘れられていて色々楽。
もちろん、フェムトファイバーでかっつり縛っておく。退治は博麗の巫女に任せて
こっちはいち早く地底に潜ることにする。


地底を目指すルートとしては、ほとんど土木工事のようなやりかたで向かう。
真っ正面から向かうと大体相手に察知されるので、今回は最小限の結界を破壊しながら補修という
まるでシールド工法そのもののような方法をとる。補修キットは先日までに霊能局の連中に
用意して貰ったものだ。


スペルカードを渡す行為は、つまりは弾幕戦のためのお膳立てみたいなものである。
永遠亭でも別の人間が、同じようなことをやっていたが少なくても難易度はこちらのほうが
上だろう。一応強力な味方がいるとはいえ、油断ならない。
さっきから謎の幽霊がまとわりついている。依姫は神霊と言っていたが、それはこちらの位置を
教えるようなものではと尋ねたら、それが目的だからと言われた。 
多分今日も無事に帰って来れないだろう。


嫌な予感はしていたのだが、案の定寝違えた死角から羽衣に包まれた清純そうな女が
出現した。 こいつは危険な香りがぷんぷんする。危険な香りをほとんど隠そうとしていない点も
最悪すぎる。 そして会話してはっきりした。こいつは本格的な悪人である。
攻撃してこないのは綿月依姫がいるからだろう。


想定外だったのは私たちが持っていたスペルカードを彼女からほしがったということだ。
これは予想外だった。自分が行使しているゾンビが使っているのを見て判断したのだろうが
いきなりこちらが切るカードが無くなった形だ。本来ならこのカードを使って貰う代わりに
どうこうって話がいきなり途切れる。
そしてこちらが見せた若干の焦りをあちらは見逃さなかったようだ。


この女が要求してきたこと。それは綿月依姫の力でこの奥の封印を解くことだった。