□月 ●日  No1831 危険人物の復活


またかなりやっかいな仕事が舞い込んでいる。
妙蓮寺の地下で危険な人物が埋葬されており、そいつらがそろいも揃って復活するのだとか。
ぶっちゃけ、ベークライトでも穴全体に注入して二度と上に上がらないように物理封印した方が
安心というものだが残念ながら、その人物のうち数名がすでに復活済みであり、すでに地上で
影響を与え始めている次第。 


だが、今回の相手の場合今までと大きく違う点がある。
人間を本格的に襲っているのだ。人間を驚かせてエネルギーを得るなどというレベルではない。
本当に殺害し、そのエネルギーを用いて生きながらえている。
エネルギーの一部を死者の復活にも宛てているとのこと。


正直なところ言うが、私は妖怪について極端に恐怖を抱きはしない。
もちろん弾幕は怖いし、下手すれば酷い目に遭うが少なくても妖怪は最悪の第一線は超えないように
配慮してくれる。ヴァンパイアの主人しかり風見女史しかり。
しかし人間は別だ。我々を含め加減を知らない。自分の欲望を完全に制御することはできない。
そして相手はまさに人間なのだ。しかも変に力を持っている。
教育係がいて全体で監視している自称現人神ともちがう。 それがどれだけ大きなリスクかは
周囲の慌てようからよくわかる。


すでに我々のスタッフの数名がこの人物とアクセスしているがいずれも護衛付きであるという。
紅魔館でも護衛がないことを考えれば異例の措置だ。


最初の作業は、命蓮寺に居るというゾンビをとらえることである。
このゾンビ元々命蓮寺に迷い込んだのではなく、地底から出現したのだという。
当然ゾンビが勝手に復活する何てことはあり得ない。復活する異常術者が居るはずだ。


そこでこいつがどのようなプロセスで動いているのかプロセスルールを逆アセンブルし、
相手のレベルを推し量る。 もちろんこのゾンビがとらえられたことは相手にも分かるだろう。
だから無料ではやらない。ゾンビに力を与えると称し術者とゾンビにスペルカードを渡すことになっている。
カードに付いているラベルを見ると命蓮寺の妖怪達がつかうカードよりも2世代は前のカードを
提供しているようだ。 最新技術を渡す気はさらさら無いのだ。


怪力ゾンビをとらえるのに用いるのがフェムトファイバーだ。
ここ数週間ほど綿月依姫に応援を依頼しているのはこれがあるからだ。
動けなくなったゾンビは残念なことに劣情を催すような代物ではないが
額に貼ってある御札を含め、相手の能力は推察できるようである。


アセンブルの結果は後日出るだろうが、色々な意味で不安要素が多い事態である。