□月 ●日  No2038 不思議の国の


幻想の世界でやってくるのは毎度ものばかりとは限らない。
このケースでは色々と問題も多いのだが、その事例を挙げてみる。
それが人間だったりする。しかも子供でありこれがまた何故幻想郷に
やってきているのか疑問なのではあるのだが確かにここにいる。


彼らの行動は明らかに幻想郷のこれではないのですぐに分かる。
概ね親のネグレクトなどにより、何かの拍子で世間と離れてしまっているのだろう。
この点は徹底的に準備がなされた自称現人神と比較すると好対照だ。


不思議なことに彼らは幻想郷の概要を知っている。
もっともその概要はとても歪んでいるもので、妖怪達と仲良く過ごすことが
できるまるで空想の世界のような考えをもっているように思える。
残念ながら幻想郷は実体の世界だ。ルールが違うだけで生きにくいことには
変わらないと思う。


根本的な勘違いはここを死者の国と思っていることだ。
もちろん本質的な意味ではない。死者の国とは我々の言葉で食べ物や生活から
解放された世界と定義されている。もちろんそんなことはない。
生きるためにはどんな手段を講じるしかない。 蛇でも捕まえて食べるなんて
それほど珍しくもない。
ある瓢箪の姿をした小島では子供がずっと生きているというデマがあるが
あれはただの幽霊だ。 とっくに人間をやめており故に楽に暮らすことができる。


そんなわけで、聞き分けのない子供は概ね1日ほど放置して現実を教えるというのが
基本になるのだが、この世に絶望されてしまうのもたまらないので、最近では
幻想郷に行ったことも気づかせないままでそっと返すのが基本になっている。


まあ、どうでもいいのですけど、なんで兎の耳を頭に付けてそうしないと
いけないのだろうね。 その方が現実と幻想の世界を行き来しているように見えるんだろうが
からしたら出張先のひとつでしかないのにね。