□月 ●日  No2037 幻想郷IX


幻想郷にてネットは絶対必須環境となっている。
特に八雲商事においては情報の伝達はとても重要なことであり、かつては天狗達の情報網などや
電信などを用いたりもしていた。 
幻想郷の通信環境は想像以上に近代化されている。正確には近代化しないとやっていられなかったとも
言えるのである。


多少高コストであっても顕界と幻想郷はネット創世記から専用線で結ばれていた。
それら情報は少しであるが漏れ出し、なぜかネットを駆け巡って今では妖怪達を題材にした
美少女もののジャンルが築かれているという。 もちろんどうでも良いことであるのだが。


幻想郷の通信関連技術はとても早くから進歩を余儀なくされていた。
理由は冷戦時代である。戦争が起こって八雲商事から物資が途切れないようにするには、
当然ルートを複数構築しないとならない。複数構築すると言うことは相互情報交換を行わなくて
いけないのだが、天狗達など人妖的資産で動かすには信頼性が低いという問題があった。


もっとも、冷戦下であっても大国はそれぞれに幻想郷の重要性を認識しており、その莫大な維持費を
特定の国家がすべて負担するという考え方は米帝でさえなしえなかった。
それは隙間妖怪が赦さなかったということもあるし、そんな金があったら軍備拡張した方が
なにかとマシと思われるほどの重要度だからかもしれない。


そんな幻想郷のネット環境を支えるのがIX(インターネットエクスチェンジ)である。
一極集中の危険性を強く認識している幻想郷では複数箇所にIXが存在している。
その中の一つに紅魔館の図書館もある。 アカデミズムのシンボルでもあるが、常に戦闘能力をもつ
司書や魔法使いが巡回している。なによりここの重要性を認識しているのは実のところデスマシン妹君である。
彼女も馬鹿ではない。その他にもIXは複数箇所存在しており、正確な位置は不明だが
数カ所ほど存在していることも分かっている。


最近だと、3馬鹿がいた霊廟がそのままIX置き場に化けているという噂もあるのだが、
土地のレンタル料でとりあえず3馬鹿を養うためとはいえ、すでに暴かれた墓をつかうのは
どうなんだろうかと思う。


幻想郷は想像以上にいろいろと近代化している。
そうしないと私の命なんてとっくになくなっているからな。
えっ、もう亡くなってる? ご冗談を。