□月 ●日  No2186 接続システム


 八雲商事に入社したメリーとレンコのふたりだが、休みになると勝手に出かけてしまうので迷惑している。
相変わらず秘封倶楽部としての活動は続けているようで、色々頭が痛い上、うちの機材を持ち込んでいるので
さらに状況が悪くなっている。


 八雲商事の機材を持ち込むと、いろいろな部分でリスクを軽減できる。
当然二人もそれなりに経験を積んでいるから行動も無駄が殆どない。
彼女たちが成長したといったら聞こえはいいが、はっきり言って迷惑だ。


 ぶっちゃけ彼女たちの向かう先は幻想郷であって幻想郷ではない。接続されていない世界というのが正しい。
幻想郷が大きくなるためにはインフレーションと呼ばれる現象が必要だが、これは空間の接続をもって
可能となる。お互いにくさびを打って空間同士を接続するのだ。
この接続システムは本来バラバラで居住空間としては狭すぎる幻想の世界を一定のエコシステムが成り立つ程度に
広くすることが可能である。

 
 接続システムにはもう一つ重要な意味合いがある。万が一手におえないような妖怪等に出くわした場合は
特定箇所の接続を解除し、その場所を封鎖することが可能なのだ。
これによって、最悪の事態を防いでいるのだがこの馬鹿どもはそれを掘り返しているのである。


 まあお蔭で、小兎姫が事態の収拾のためとても機嫌が悪い。
先日も朝倉に文句を言ってきたという次第。 面倒な奴は一緒にどついているじゃないかと言うが
それよりも、小兎姫がみたものは二人が朝倉の名前を出したら、勘弁してください許してくださいと言われたことだったらしい。


 その理由についてはここで話すべきではないが、とりあえず二人が顔を真っ赤にしているのでそろそろそれで
勘弁願えないだろうか。