□月 ●日  No2044 インカミング


休日なのに緊急招集 休みは明日で良いからと言われて出社
会社に出たらなにやら騒がしい。何事かと言われたらすぐに出動しろということで
合点がいかないまま列車に飛び乗る。 朝食を食べてないのでパンを口に放り込みながら
辺りを見回すと、米帝からモーガン先生、朝倉やら 小兎姫やらとほとんどオールスター
という案配。 何事かと尋ねたら、どうも幻想郷にとんでもない代物が飛来したのだとかどうとかである。


実はこれ某国が発射したミサイル。 発射されたもののあっという間にレーダーから消えた。
通常なら破片の破の字でもあるのだがそれすら検出できないことから、もしかすればもしかすると
ばかりにこちらに話が来たのだという。
時を同じくして八雲商事に謎の機械が飛来したという連絡が入り急遽、関係者全員招集になったらしい。


途中で屈強の兵士達も合流。私は現地案内員扱いである。
いや、腕時計の跡がある現地案内員がいるかと言いたくなってくる。


途中で香霖とも合流。ここで何がしたいのかほぼ判明する。
天狗に連れられたのか、体が冷えたのか、恐らくその両方だが
防寒着を着てがたがた震えている。


目的地はほどなくして到着した。
近くに寄っている妖精どもを小兎姫や朝倉が掃除して、皆の監視の中
置いてある装置を観察してみる。
出てきたのは円形の代物。 だがところどころ破壊されているというか
表面が融解している。


誰が見ても本来の機能は発揮できないように見える。
そもそもシリコンのパネルがない。 これでは長時間動かすことは
できないだろう。


朝倉がスペルカードを物体に貼り付けて術を実行させる。
弾幕は発射されないが一種のボムとして機能する。
つまりここで爆発しても大丈夫なエネルギーフィールドというものだ。
魔術を用いて、浮かせながら一部分を分解。
同時に使用用途も探らせるも、香霖は分からないの一点張り。


理由はすぐにわかった なかから割り箸が出てきた。
割り箸のように見えた物体と言った方が正しいかも知れない。
一個取り除いたら物体が勝手に瓦解した。
全員暫く絶句。


結局廃品回収よろしく、この物体はほうきとちりとりで袋に詰められお持ち帰りと
なった。あとで聞いた話だがこれは衛星らしい。
今日日の最新衛星は中空で表面に機能が集中しているということか。
もっとも幻想郷で利用するなら実はこんな代物で十分でもある。
しっかりとした魔術的なにかを入れていればこれでもそれなりに機能する。


そんなわけで廃品回収作業は完了。
ばらまかれたあめ玉を懸命に拾う妖精達を尻目に現場を後にした。