□月 ●日  No2045 幹事


仙人様(評価保留中)が困った顔をしているので声を掛けたら
なんでも花見酒の幹事にさせられたという。
ここで言うところの幹事とは要するにスポンサーの意味であり
要はお前の金で酒を呑ませろと同義である。
故に人は勝手に集まる。 当然だ。無料の酒なのだから。


結局、その辺の話はこちらにお鉢が回ってくる。
此奴らのせいで幾ら予算があっても足りない。
以前はガロン単位でお酒を呑まれてしまい、半端じゃないコストが
掛かったのだが、今回はちょっとした手段を考えた。


丁度旧地獄から取り寄せた鬼専用のお酒があるのだ。
あまりにアルコール度数が高いため、ウワバミである幻想郷住人も
確実にノックアウト可能である。
元々寒い場所で生き抜くために作られたというそれは
要は露西亜とかで出回っているお酒とあまり変わらないともいう。
アルコール度数80%オーバーの鬼ごろしだ。


このお酒意外とコストも安い。
幻想郷内で自給できる上、豊富な地下水をベースとするので
生産ラインも比較的安定。
どこから手に入れたかなんてことはうちから買ったと言えばよい。
ということで、此奴の投入を決めた。


連中が悪酔いして大惨事になるのは容易に想像できるが
これくらいの酒でないと延々騒がれて、他の妖怪たちの迷惑になる。
昨年はゴミが大量に散乱してそれは酷い有様だった。


今年はどうだろう。
やっぱりゴミは散乱していた。 まあちょっと考えれば分かることだ
みんな悪酔いして、その場で倒れていた。
仙人とメイド長を除く。 メイド長も少々グロッキーだったが
悪酔い止めを呑んでなんとか復帰していたようだ。
しかし、時間停止まではできないと言われてみんなで真っ青になった。


結局、三人でせっせと片付けることになったのだが
メイド長は早々にダウンして実質二人で処理する羽目に。
どう話していいかも分からぬまま黙々と作業をこなす様はとてもシュールだった。
もっと話して仲良くなればよかった。