□月 ●日  No2103 エクソシスト


幻想郷に悪魔祓いをやってる人が流入したというので何か参考になるかと思いその人を
尋ねてみる。さぞや強力な悪魔祓いが出来るのかと思っていたが、その手法を聞いたら
思いの外前時代的で色々と頭が痛くなった。


この手の悪魔祓いは大体、昔のやり方をきちんと行う伝統的やりかたと、より実践的な
現代の集合知を用いたやり方の二通りあり、この人物は前者ということになる。
彼らが大体上手くいっていたのは、伝統的やり方で受け継がれるマジックアイテムの
お陰だと言われている。マジックアイテムも利用し続けることにより経験値を得るもの
だそうだ。 経験値が一定以上になれば付喪神としてクラスチェンジできる。


そもそもこの人物が幻想郷に流入した理由も、詐欺師扱いされたからという。
確かに彼のやっていることは一定の効果は見込めるのではあるが、最近の傾向として
悪霊も知恵を付けているってことがある。
では幻想郷に行けば状況が変わるのか。とんでもない。
むしろ連中はある程度認知されているが故に力を持っているか智恵を持っている事が
多くより面倒な存在になっている。


考えてみれば分かる話だが、世代が下ればインターネットが使える悪霊が出ても
そうおかしくないし、24時間ネット掲示板に張り付いて、変態発言を繰り返す
悪霊が居るのは割りと有名である。


それでも過去の夢よ再びとか言うので、とりあえず三馬鹿の1人を連れてきてみた。
一応実験の内容は3人に伝えた上で、一応承諾を得る形である。
聖水をかけて実験開始。


後に残ったのは項垂れる悪魔祓い師と何も起こらず目をぱちくりしている三馬鹿(幽霊)の
姿だった。 西洋の呪術に勝ったと約一名大喜びしている。
こりゃ、確かに詐欺師と言われても仕方ない気がする。


理由はあとで分かったのだが、この悪魔祓い、映画のブームに乗って手を広げていたらしく
信販売でアイテムを揃えていたことが判明。
アイテムが古くさくないという三馬鹿の指摘に
従い調べたら、ネットでワンコインで買える聖水を使っていたことが分かった。
期待して損した。