□月 ●日  No2106 割と厳しい現実


 幻想入りという言葉が有りまして、幻想の世界に行けたらどれだけ良いのだろう
という話がありますが実際にはかなりきついです。
 運が良ければ仕事にありついてということになりますが、それはとても運がよい場合に
限られます。 妖怪に出会ってすぐに仲良くなるって言うのもかなり難しいでしょう。
 ある程度組織という枠の中で、自分がこういう者だと妖怪達に伝わって初めてまともな
扱いを受けることが出来ます。


 比較的、外の人間に優しいのは寧ろ地底の人間や妖怪かも知れません。
これは印象論ですが、何だかんだでお節介を焼くのは地底の妖怪の方のようです。
地上ですとただの無宿人扱いということで、路上生活で餓死のコースがとても多い。
また、妖怪に捕捉されたとしても散々遊ばれて精根尽き果てるなんてことも多いようです。
大体一週間が山ですね。


 メリーとかレンコとかあの辺の連中は結構幻想郷を舐めていて始末が悪かったです。
確かに幻想郷に関する説明の多くは端折れたのですが、彼女たちは長時間幻想の世界に
滞在しているわけではない。もっとも仮にそのような滞在の仕方をすれば
概ね無事では済まないでしょう。彼女たちは幻想の世界に比較的安全に侵入する術を
知っていましたがそれでも危険なことには変わりない。
いいところ2日間が限界と言ったところでしょう。これ以上は脱水症状がある。


 では、幻想の世界に行っている奴で上手く行った人はどのような手段で自活できるように
なったのでしょうか。方法は一つあります。軽犯罪を犯すことです。
 要するに人里に着いてお腹がすいて食べ物を盗んで捕まったってパターンです。
実はこのルートが一番自活できるチャンスだったりします。ここで、自警団とかに捕まって
上手い具合に人足寄場に入れば、そこで職業訓練を受けて後、3年ほどの労役を経て
幻想郷に溶け込むことが可能だ。
 長いって?
 

 ここでお気づきの方もいらっしゃると思いますが、地底って人足寄場が充実しているのです。
理由は大体おわかりいただけるかと思いますが、要はそういうことです。
突っ込み担当妖怪キスメも嫉妬妖怪も誰が見ても堅気じゃないですからね。