□月 ●日  No2145 レッツ出前


幻想郷にもなぜか外食産業というのがあります。基本的に幻想郷は共働きでありまして
労働時間も結局管理する手法がないことから遅くまで仕事する者も結構おりまして
そうなると仕方ないからということで外で飯を食うってことがあるわけであります。
また、比較的お金を出している妖怪たちとかのために店を開くなんてこともあります。


幻想郷の特徴として出前が発達しているってことがあります。
高速飛行が可能なので出前で飯を運ぶのはサービスとしてありだからです。
凄いケースですと空間湾曲を繰り返してあつあつのものを届けるなんて芸当もできるらしい。
ちなみに出前は電話でどうこうではなく事前に店に出向いて予約するという仕組みとなっております。
その点は顕界と比較すると些か不便であります。


八雲商事現地法人の場合、社員食堂が閉まる夜になると結構出前を取る場合が多いのです。
皆で出し合えばとりあえず運賃も最小限になりますしなにより、お店もまとまった収入になるというので
結構売り込んできたりします。
夜になったら店が閉まるかって?その辺は夜も動く幻想郷ですからあまり心配いらないのです。
なので休憩室をみますとラミネートで包まれた出前のお品書きがいくつも置いてあったりします。
余談ですが、そんな事情もあってこの八雲商事にはあまりインスタント麺がはやらなかったという事情があります。
お店が閉まっていなかったら無理に食べる必要がありませんからね。
河童ラーメン。


スピード自慢の妖怪は食べ物をこぼさないように運ぶこの出前で結構稼ぐみたいです。
出来高制でそれなりに儲かるらしく天狗たちが出前をやっていることが多いです。
新聞が売れなかったら連中はどうするのだろうかと思ってますが、大体こうした副業で生計を
立てているのだそうですよ。


そんなわけで、幻想郷というのは意外と平和で意外と顕界に近いということがお分かりいただけるかと。
ちなみに食った後の容器はきちんと外におかないとだめですよ。
容器が捨てられる現代の顕界と違いますからね。