□月 ●日  No2232 このくらいで驚いちゃいかん


薬屋の家を求めて地上を移動すると結構な頻度で仏様を目にします。
最初はきつい光景だがだんだん慣れてくるようになります。
幸福をもたらすウサギにエンカウントすれば大丈夫といいますが、一般の人はそう簡単に出会えるものではありません。
我々にはGPSがありますが、幻想郷の住民にはそれを突破するのはほぼ不可能と言ってよいと思う。


彼らは病気の状態で一途の望みを託して薬屋に向かう人たちと言われる。
こういう場合はさっさと妖怪が処理してくれると思うかもしれないがどこも感染症が怖いので、
食い荒らす奴があまりいないというのがつらい。


幻想郷住民の平均寿命は驚くほど低い。低くしている要因は主に小児の死亡率がやたら高いことに起因する。
顕界と同じように予防接種などをやればいいのだが、ここは幻想郷であり多くの病気も保存されているという困ったルールが
話をさらに難しくしている。 薬屋のところへ行けばよいという意見もあるだろうが、働かなければ飯が食えないので
基本的にそんな暇はないか、そこにたどりつくまでに大体は力尽きるというわけである。


これは博麗の巫女たちにも適用される問題だが、一定の理力さえ持てばそう易々と病気にはならないのも事実である。
そこまで来るのが実は意外と大変だ。


人里には基本的に次男坊がばかりが集まる。農村に人が滞留すればそれだけ耕地が分割されるし、そこまで職があるわけでもない。
ある程度大きな都市群がありそこが仕事を与える仕組みがある。もっとも都市群と言ってもみんなが思うほどには
人口密度が高い訳ではない。いくら薬屋がいても出来ることには限界があり、そもそも薬だって満足に買えない奴が
結構いるので、そりゃウサギの薬売りが上手くいかないのも頷けるってものだ。


さて、とりあえず遺体を見つけたのでマーカーを置いて回収班に処理させることに決定。
このまま放置して変な幽霊になると、一般人に影響が出ると思いきや、死んでもなおどつかれるという悲惨なことになる。
おかげでここに残る地縛霊っていうのが数が少ないのがご愛嬌なのだが。
はてさて。