□月 ●日  No2231 解読屋 発見さる


顕界から危険な書籍を発掘した場合、顕界の人間では手に余るものを幻想郷に持っていくことがある。
幾つかの厳重なセキュリティで包んだ代物はとある店に運ばれる。解読屋にお願いするためだ。


解読とは我々の言葉であり、実際には別の名前がついている。
一応は古本屋の形態をとっているが、その実態は危険な本などを保管したり
解析して無力化してしまうために存在する。この手の本は正体不明を売りにするために難読化、暗号化が
施されており、読んで初めてうわべだけが機能するようなトラップが仕掛けられている。


こうした面倒な本を引き受けているところの一つがここに当たる。
所謂解読作業のアウトソースというものだ。
この手の場所はいくつかあるが、人里ど真ん中に設置しているのがここである。
本来ならこういう場所にこの手の施設を置くのはよろしくない。
何か事故でもあったら大変なことになる。それがない自信があるからここには価値があるというわけだ。


しかし、ついにこの場所もデストロイヤーどもに捕捉されてしまった。
これでここも碌でもない場所になることがほぼ確定する。
幸いにして店番をしている解読屋は奴らをあしらったと言っているから
しばらくは様子見の予定である。


事故発生時にデストロイヤーどもを呼び出そうという魂胆だろうか
ぺんぺん草一本も残らないような気がするが、その辺は腹黒いから大丈夫か。