□月 ●日  No2232 書籍は妖怪の希望なのか?


幻想の世界というのは情報の世界であると誰かが言った。
誰かの伝聞や書籍などによって情報を伝えることで幻想の世界は強化される。
それは科学で解明すれば消え去るのかといえばそうではない。科学で解明すればするほど「わからない」ことが増える。
これが真実でる。


幻想郷に書籍が移動しているがこれは電子化しているためではない。
ただ単純に忘れられた本というのは思いのほか大量にあるということだ。
妖怪たちは書籍が現れるたびに多様化しているので実のところ彼らが一番怖いのは
妖怪の存在が消えるというより多様化による生存競争が激化するほうが問題という状況である。


妖怪に関する記述は想像以上に増殖している。
彼らの住める場所は大幅に増加しており、むしろ彼らは栄えていると言える。
ただし、栄えているのはいわゆる新種の妖怪たちだ。
生き残りを図るのは実のところ既存の妖怪たちと言えるだろう。


意外とややこしいかもしれないが、情報化によって既存の妖怪たちも生きながらえているというのが
私の持論である。妖怪たちを体系化するときにその元になる妖怪たちが可視化されるからだ。
こうして実のところ妖怪たちは増殖を続けている事実に気づかぬまま、妖怪たちは
自らが絶滅の危機にいると思っている。


なんとも笑える話だが。実態としてはこんなものである。