□月 ●日  No2233 電気を引くのは大変だ


幻想郷で照明を確保するというのは結構大変である。
一つは電気を直接引くというやり方だ。電気を直接引くのは設備投資のレベルから考えると大ごとだ。
電気は長距離になれば損失するから結局変電所が必要になる。幻想郷の電気を維持するというのは結局顕界の水準で
維持管理を必要とすることを意味する。コストがかかって仕方ない。


そこで幻想郷の場合だといくつかの方法を用いる場合がある。
一つは太陽光発電システムを利用したもの。こちらは顕界でもおなじみの代物だ。
電池の損耗があるので実は意外と使いづらい。
もうひとつ、良い方法がある。それは照明に取り付いた付喪神を使ってしまうというやり方だ。かなり酷いやり方だが
照明を引っ張らなくてよくなる上に、妖怪たちも自分たちの存在意義を特定できてWINWINの関係になれる。
この手の機構を魔術で再現するやりかたもある。ただ、こちらの魔術は100V電源をきちんと確保できなかったり
アースの処理が甘かったりすることが多く、魔術で照明器具をつけるなら素直に光の球を浮かべたほうがマシに
なる。 中にはガラス玉のなかにそうしている奴もいる。


そんなわけで、幻想郷に照明をもってくるのは糞面倒だ。
変電所と、電力トランスを用意する予算も設備もないのに、電気を引っ張ってくるなんて
普通ならだれもやらない。
自称現人神の家だって近く変電所があって最小限の設備投資で電化が可能だということで
あの辺鄙な場所に家を構えているのだ。
当初は里の近くだったのだが、電飾看板とかを使えば信仰が萃められるとかいう意見が通って
あの場所になった。ロケーションが大事なのに。


幻想郷に電力を運ぶというのは思いのほか大変でしばしば暗くなるし、あまり質は良くないから
注意しましょう。あと幻想郷にはコンセントがありません。ブレーカーもないので
電気工事士に着けてもらわないとダメなんですよ。 近代設備を採用している場所にはブレーカーとか
キュービクルがありますけどね。