□月 ●日  No2315 汚部屋


秋姉妹の家にハウスクリーニングに行ったスタッフが帰ってこない。
一応専門業者を幻想郷対応に訓練しているが、一応在野の職人さんなので無茶はさせられない。
連絡を取ってとりあえず一時 現地法人で休んでもらうことになる。


本人の話を聞いたらまるで特殊清掃のようだと言われてしまった。
費用はそれだけ弾むとは約束したもののそこまで言われると気になるので彼女の家に突貫することに。
北白河がやめておけばいいのにと言っていたが今思えばその通りにすればよかった。


彼女の家というのはファンシーそのものだが、要するに秋が終わる直前からこの家は
全く管理がなされなくなる。彼女はシーズンになると忙しくなり。ほとんど自宅に戻れないうえ
お供え物を持って帰ろうとするため家の中が澱むというわけだ。
そして冬に無気力状態になるとさらに事態は悪化する。


そうすると部屋が生ごみ集積場みたいになってしまうのだ。
もちろんそうなる前に食べ物を配るなどの手筈も行うのだが
それでもおつかないことがある。 せめて日持ちするものをお供えしたいところだが
保存料が少ない幻想郷でそれを期待するのは厳しい。


もっとも最大の問題は誰が秋姉妹の体を拭くかでありまして
うちの部署みんなが立候補して北白河たちのドロップキックを食らうという
微笑ましい場面があったりする。今年も明羅女史あたりで落ち着きそうな塩梅だ。


そんなわけで秋姉妹の家の掃除はまだ始まったばかりである。
今年はどれだけかかることやら。