□月 ●日  No2416 魔法の洗濯機


幻想郷において洗濯はとても重労働である。
洗濯板が基本であるし、場所によっては水場までかなりの距離がある。
何も考えずに水を捨てると地下水が汚染されるため、洗濯できる場所には限りがある。
公共の洗濯場所があり、ここで洗う必要があると言うわけだ。


魔術でどうにかできないのかという話もあるが、正直言って
洗濯機そのものが実のところ魔術みたいなものだ。
そもそも顕界においても洗濯機をきちんと所持している人間は、人間の総人口から換算すれば
ほんの一握りであることを忘れてはいけない。


ある程度お金がある世帯だと手動式のドラム洗濯機なるものがある。
一時は無縁塚で故障したものが捨ててあってそれを河童が修理して
一儲けしていたが、今ではほとんど手に入らないらしい。


では魔術はどのように使うのか、それは手動ドラムを
魔術で回転といった具合で利用する。
多くの魔法使いはこの手段で洗濯をしているのだ。
中には回転の魔術だけ覚えて、それで商売をしている者もいるくらいだ。
コインランドリーの変種だと思うと理解できるかもしれない。


八雲商事現地法人には二槽式の洗濯機が置いてあり、とても人気を博している。
本当を言えば二槽式も幻想入りからは程遠いのだが、現地法人の人間のたっての
希望でここに置いてあるのだ。 たまに天狗たちが自分の服を洗濯しに来るのが
何とも言えない気持ちになる。


どんな下着をつけているかわかるって意味ではとても良いという意見もある点
注意されたい。