□月 ●日  No2415 役得


久々にエリー女史の依頼で夢幻館に立ち寄ることになる。
室内は荒れ果てており、いったい何があったのかと尋ねたところ、仙人からいただいた酒を飲んで
暴れてしまったと聞いて、アレのことかと考えてみる。
お恥ずかしい限りと言って現れた風見女史であるが久々に顔を赤らめてまるでいたずらをしたときの子供のような顔を
しているので本気で可愛いと思ってしまった。


そんな風見幽香が白と緑のグラデーションのタイツを着用していた。相変わらず目の毒だ。
幻想郷では褒め言葉として大根足と言うらしい。そもそも幻想郷では農作業などのために
下半身が鍛えられる傾向がある。すると下腹部から太腿にかけて筋肉質になるのだ。
大根足とは要するにすべすべで、きれいな脚線美を持つ足という意味である。
彼女自身この辺の調節をするために超低空で空を飛ぶなどの工夫を行っていると言われている。


幻想郷の基本生活というものは相当大変だ。20過ぎになれば肌は荒れるしそれなりの苦労が
顔に現れるものだ。いきおくれという言葉もこういった事情から発生している。
美しさを維持するのは10代が限界だという意味なのだ。
朝倉が27歳と自称するのも、大師様があの姿でいるのも意味がある。
20過ぎの姿であの外見というのがすでに不自然なのだ。それがすなわち魔女としての
謂れとして機能しているのである。
もっとも顕界でその理論はほとんど通用しないのだが。


さて風見女史の件だが、大根足が最上位の褒め言葉である以上、それを言わないとならない
しかし彼女は顕界にもたびたび顔を出して大暴れしているため、大根足が顕界でどういう
意味なのかおそらく解っているだろう。
かくして私の発言はこうなる。 なんという目に毒な脚線美なのか ってなる。
この玉虫色の発言が本人の機嫌を損ねないかも不安になる部分だ。


結局のところやぶれた壁紙などの取り換えなどを行うことで話がついている。
壁紙の下が装甲板になっていたのを見て、いろいろダメだと思ったのは
言うまでもない。装甲板融解しているし・・・。