□月 ●日  No2667 ただしイケメンに限る


 久方ぶりに霊能局より応援依頼が着て沸き立つ八雲商事であります。
 今回は顕界にいるという怪人さんの捜索依頼。外の世界に適応しきった怪人さんは、幻想郷では生きていけないという
 なんとも言えない事案が起こっています。
 しかし、現代において怪人さんはそれ自体が売れっ子職業と言えるくらい市場になっていまして
 ここ最近はご当地ヒーローの敵役で一人何役もこなし、さらに土日になるとデパートのショーでひっぱりだこなんだそうです。
 酷いケースではご当地ヒーローの中身を怪人さんがやるという謎の展開にもなっており、なんとも言えない気持ちになります。


 そんな売れっ子怪人さんが幻想郷に行ってしまったらしいという報告を受けたのが今日の朝。
 なんでも怪人さんが幼稚園の依頼を受けて、バスを襲ったところ、幻想郷に移動してしまったというのである。
 きょうび幼稚園バスを襲う悪の組織など、どっかの歌謡曲かパロディの世界くらいなもので、
 本当にやるところなんて既に幻想入りしているという次第。

 
 怪人さんはきぐるみなので、凍死の危険は少ないとはいえ、食料や水が無いと衰弱してしまう。
 ところが怪人さんの風体では、幻想郷ではそう珍しくないためスルーされるのだ。
 仕方ないので手配書を駆使して天狗たちを動かす方法で問題解決を図る。
 チャンスはきぐるみを脱いで人間の姿になった時である。


 ほどなくして、怪人さんの胴体の一部が発見。キグルミのパーツと判断され、
 そこの周辺を捜索。そこでスタッフ一同肝心なことに気づく。
 ああ、考えてみれば空から探したら身を隠すじゃないかと。
 だって中身は人間ですし。


 天狗たちが地上を歩くとあっという間に発見されたとさ。
 彼女たちは傍から見たらJKにしか見えないし。しかも発見された時は天狗の一人は
 言い寄られたという話でした。中身がイケメンだったので、そのまま持ち帰りされようとしたらしいです。
 駄目だこりゃ。