妖怪相手の探偵業。即ち、この世界に住んでいると言われる妖怪変化を相手にした探偵業と言っても
やるべきことなんて実は普通の探偵業と大きくは変わらないのだ。
この日ある同業者からの依頼は、いわゆる美人局的な犯行への対処だ。
ある男性をAとする。Aは2年間掛けて元妻だった女性からお金を奪われたのちに
DVを捏造されて姿を消したという。ここまではただの結婚詐欺師だったが
女の姿を捕捉することができなくなったという。
しかし相手は大失敗を働いた。元妻が雇った弁護士だ。
弁護士の名前からピンときた。こいつは妖怪相手を生業とする弁護士だった。
つまり妖怪相手の探偵業がいれば、妖怪相手の弁護士もいるのだ。
かれらは人間でありながら妖怪相手に弁護活動をする特殊な存在であり、
我々の間でのみ知られている。
この段階で、この女が何かしらの妖怪変化であることは間違いないようだ。
早速写真を回収し、データをデータを拾うことにする。
見失った時に撮影した写真も回収、これは万が一のために同業の探偵に教えていることだ。
ここで登場するのは専用のスキャナだ。
かつて写真を撮ると寿命が縮まると言われていた。これは半分本当で半分嘘だ。
写真には人間や妖怪のいわゆる波長情報が同時に記録される。
最近はデジタル仕様でもきちんと取得できるようになってきた。技術の進歩さま様だ。
スキャナで読込み、かたっぱしから照合していくこと3時間余、
ようやく星を発見することに成功した。