□月 ●日  No4510 同業他社へ

 八雲商事には主に契約している弁護士さんがおりまして
 何かあった時は弁護士さんを通すような動きとなっています。
 妖怪相手の荒事ではこうした法律を使った戦い方も珍しくありません。
 そもそも現代の妖怪は相当勉強しています。 
 地上げなどに対抗して法律知識を深めた狸もいるって話ですから。

 さて、今回は退職周りの話です。
 妖怪変化も法律知識を持つこのご時世ですから
 当然このような話もあります。
 最近では代わりに退職の手続きをしてしまうというパターンもあるそうで
 まあうちの場合は、退職者を訴えるとかはやりません。
 ただし退職者がうちの会社で得た秘密を運用しているとなると
 話は別になります。

 かつては幻想世界に縁もゆかりもない仕事に就くことが多いため
 このような問題がありませんでしたが、アーティファクトの管理会社が
 出現したあたりから人員の争奪戦が起こっており
 より良い給料をねらってそっちへ行くことが多いんだそうです。

 まあ現実を知ってこっちに戻ってくる人がちらほらいるので
 そういうところなんだろうなって話です。
 まあうちの会社のように妖怪に対して対抗措置を用意しないで
 アーティファクトとかを触ろうとするんだからどうしようないですね。