■月 ●日  No6270

 八雲商事に入社して一番やばいのは、身体的な障碍があったら強制的に治してもらえる
 場合があるってことだ。ほとんど悪魔の契約を結ぶ必要があるが、それでもいいって奴はいる。
 悪魔の契約を結んだら最後、肉体的な部分の損傷は治るが、人間としての尊厳は吹き飛ぶ。
 また病気にもなりにくいから危険な場所へ派遣されまくり、まあだいたい精神が削がれる。
 
 精神が削がれてしまったらだいたい人事不省である。
 そこからは肉体的サポートが得られないから一気にQOLが下がる。しかも悪魔の契約を結ぶと
 ほぼ確実に孤独になる。なにしろ周りの奴は概ね死ぬ。年齢も寿命もアホみたいに伸びる。
 伸びるからいいのかというとそうでもないところが救いがない。

 税金はだいたいしこたまとられるが年金が出ないのも特徴だ。そりゃそうだ。
 働けるんだから税金は普通にかかる。年金支払いの年齢が伸びているのが社会問題になっているが
 はっきり言ってそんなの大したことはない。もう滅茶苦茶伸びるのだ。
 実質人権終了である。

 まあ、そんなわけなので悪魔の契約は今日では書面で交わされるのですが
 まあそれがない人はご愁傷さまってことです。