□月 ●日  No4541 大体無害

 この世の中には人智をこえた者がいるという。
 たとえばアンデッドがそうだ。もっともアンデッドというのは
 一般的に動く死体のことだが、死体でないが、死体になりにくい者も
 含んでいるといわれる。ここにいる人物はマトリョーシカのように
 自分の肉体を複製生成を繰り返している。
 彼は確かにあの時死んだはずだ。
 
 彼の特徴を説明するのはかなり難しい。
 中肉中背、どこにでもいるような一般人。ビジネスマン系の人物。
 普段はワイシャツ、背広に身を包むようなそんなジャパニーズビジネスマン。
 
 しかし、彼は多くの文献にブラックリスト入りを果たしている。
 保険が機能しない人物。臓器移植の禁止リストなどなど。
 一応、彼は移植希望のカードを持っていたが、
 移植されることはおそらくない。そんなもの危険すぎて
 だれも移植しない。さらに言うと闇ルートですら、即廃棄焼却処分が
 必須であり、間違えて移植したら最後、その人物もアンデッドになるという
 噂までたっている。

 ある組織では彼の臓器の一部がアーティファクトになっているという。
 すでに汚染された別の人物もいるそうで、それらは
 ある団体によって研究対象になっているが
 とてもではないが人体移植はもってのほかとのことだ。
 それにしても、彼はいったい何者なのだろうか。

 

 

           

□月 ●日  No4540 結局保護された

  幻想郷生活になれますと姿を隠して悪戯を繰り返すような連中に対する
 対応方法が確立されます。
 なので色々ないわくつきな不動産関連で力を発揮します。
 まあ大体の場合、あっちも同業者とか、酷いケースでは
 役所が雇った地上げ屋なんてものもあります。
 というか先日出くわしました。
 
 この地域、どうも変な宗教関連施設とやらが、
 道路予定地を不法占拠してまして
 道路拡張を阻止するためにフェンスを立てておりました。
 普通に考えたら、まあやばい人ってことなんですが
 当の本人は一応マジメな理由で占拠していました。
 というか、孤軍奮闘していました。

 ノウハウがないってかなりきついです。
 しかも当人は薬物などを利用してかなり疲弊していました。
 気持ちはわかるし、彼の名誉に関して言えば
 周りに言ってもわからないと思うでしょう。
 しかし、ここは現代、ノウハウがあるところからすれば
 大したことがないのです。

 つまり戦い方とはそういうことです。
 地雷を設置して物理で立ち退いてもらうのです。
 おっそろしいですねえ。
 

 

 

 

           

□月 ●日  No4539 リサイクル

 所謂いわれのある兵器についても現代のエコ政策が
 入っていまして、変容を余儀なくされております。

 最近の傾向といたしましてより資源を有効活用することが
 求められています。例えば桃剣なんかそうですが
 剣としてのうんようだけでなく散弾としての運用も
 行われております。というか初心者とかにとって剣よりも
 そっちのほうが効果があります。

 こいつのメリットは、普通に銃が使えれば運用できることです。
 弾丸を切り替えるだけですし、鉄の玉の代わりにチップを使用している
 だけという簡単設計です。
 昔は弾丸がまっすぐ飛ばないので利用されていませんでしたが
 チップの加工技術が確立したことで
 こういう運用ができるようになりました。

 最近では普通の人が期せずして妖怪退治している
 なんてことも増えているのです。
 大体の妖怪はそれでプライドが傷ついて幻想郷への
 移住を決めるんだとか。
 まあもっとやばい奴らは妖怪が自分の武器にそいつを使うことですな。

 



           

□月 ●日  No4538 かがくのちからってすげー

 

 一般人でも多少の弾幕戦闘が可能になったのは岡崎教授の尽力が
 大きいと思っている。彼女が可能としているのは一般人でも
 簡易的弾幕が使用できるようにすること、疑似スペルカードの
 基礎理論周りだが、アルゴリズムは結構いろいろな人が作っており
 完全にうちが権利を主張できるわけではない。

 アルゴリズムと言えば、過去様々な国であった儀礼
 逆アセンブルするのが一番簡単で有効だったらしいが、
 三分の二くらいは無駄行動だというのがなんともいえないあれだ。

 中にはものすごい合理的な奴もいて、たとえば、黄色い服着て
 ゾンビと戦いまくる法術と体術を利用したやつは
 かなり合理的な戦闘ができるらしく、割と真似されていると言います。
 まあ、現代では有効成分を利用したより合理的な法術が
 つかえるようになっているわけで、技術の進歩を感じるわけですよ。

 現代においても桃の木を使用した木刀なるものが
 対バケモノ退治に利用されているそうですよ。
 まあ使い方はだいぶ変わりましたが、その辺は次回で。

 



           

□月 ●日  No4537 ブラック指向

 妖怪変化というものの中には人間の中に溶け込んでいる者がたくさんいるのだが
 溶け込み過ぎて社会問題を引き起こす者もいてこれが本当にもにょるわけですよ。
 んで、妖怪が会社を興すとこれがほぼ間違いなくブラック化するわけです。
 なんでかっていうと一人でいる時を基準にして際限なく働いてしまうからですね。
 それによってかなりの人が迷惑をこうむるわけです。

 もちろん妖怪変化もここ最近の流れはわかっていまして、
 勉強会やらセミナーとかをやっていまして、同席したんですが
 なんというか、人間は脆いっていうんだったら妖怪だけで
 商売をすればいいんじゃねえのって思うわけですよ。

 もちろんそれはできない相談なんですけどね。
 なんかしらないけど妖怪がたむろすると大体空中分解するんです。
 基本我が強いですし、弱けりゃ消滅の危機だからそりゃしかたないと。
 
 んで今流行しているのが式神を使った仕事割り振りなんだと。
 もうダメだろこいつら。

 

 

           

□月 ●日  No4536 理由は聞くな

 今なら言える。実質八雲商事社員というのは人間をやめることになるのだと。
 いや生物学的なところでは普通に老化もしますし、病気になりにくくなる程度
 なのですが、死んだ後の生活までわかってしまうと、もはや達観の領域に
 入ります。

 いつ死ぬかわからないという人間の本質部分すら
 そして死んだらどうなるかわかれば、もはや人間をやめるも同然だと。
 命の価値は極端に軽くなるわけです。普通の人はその前にこの会社を
 やめるわけですが、そういうのを超えるともはやそういう業界に
 入ってしまうし、仮にやめてもそういう商売しかできなくなる。

 なんでだと思われますが、結局この商売をやってると
 得られるメリットが大きすぎる。成人病など苦しむこともなくなると
 なると、とてもじゃないが、この商売になってしまうのである。
 なので人材が同じ業界でぐーるぐるするのである。
 
 というわけで出戻りがおおいんですよ。この業界。
 聞けば明羅さんがそうなんですって。

 

 

           

□月 ●日  No4535 ショートカットはできないが

 いくら幻想郷に行くポータルがあっても直接いけないところというのは
 いくつかあるわけですね。例えば中有の道とか地獄とか要は死後の
 世界と言われている場所。まあ本当のところをいうと本当に死んでいたら
 私はすでにここにはいないのでタネはあるんですよね。
 
 つまるところ行くためにはちょっとした手続きが必要なのだが
 ぶっちゃけ手続きを踏みさえすれば普通に行けるともいえる。
 地獄であっても結局のところ流通は必要なので、
 物は運ばないとまずい。というかですね、そうしなきゃ
 大半の妖怪変化は裸ですよ裸。それはいろいろ
 やばいんですよね。教育的にとか、大体わかるでしょう。

 魔術で生成するって方法もありますがそんなことが出来るのは
 一部の高位妖怪くらいですよ。あとは朝倉、あいつの場合は
 服を着替える魔術コストよりも使用する術コストが大きくなりがちだから
 そうしているだけなんですよ。

 まあ、そうじゃなきゃ、満身創痍になってる巫女たちの回収とかも
 できませんわ。