△月 ○日 No 086 守秘義務のお話


先日のお詫びも兼ねてボスに報告することになった。
すべては妖精の仕業であるというのがボスの答えだった。 あっけらかんとしていた。
そしてなぜ紅魔館の出入禁止が解除されたのか? ついにその理由を聞き出すことができた。


その前に私の会社のシステムの一部を紹介しないといけない。
妖怪の衣服は十分な耐久性や、複雑なレース処理などが多く施されていることが多く
しかも決闘ごっこにより破損頻度が多いことから短納期が求められるため、外の世界で衣服が作られている。
そのサイズは守秘義務で守られており、基本的に担当以外の人間が彼女たちのサイズを
知ることはないことになっている。 これは胸のサイズを異常に気にする身内がいるゆえに
つくられたシステムらしい。


私は紅魔館の担当もやっていたので、当然ながら彼女たちの3サイズをはじめとした3Dデジタイズデータを保持している。
そこに私が出入り禁止となったため、衣服のサイズがわからなくなったというのである。
通常は引継ぎを行うわけだがなぜか引き継ぎ処理がなされなかった。 
引継ぎが出来ない理由はメイド長の存在だ。 彼女の3サイズの計測は困難を極め
最終的には隠し撮りに近い方法で調べられた。 ヴァンパイアの許可を頂いていたため問題はなかったが
そのときも大騒ぎだった。


ボスはメイド長の衣服寸法が守秘義務で守られている旨を伝えたうえで事の次第を説明したと言うわけである。
隙間妖怪が同席していたのは保険と思われる。 万が一戦闘状態になったら、所詮政治家のボスは
無事では済まされないからだ。


私は自分の3サイズに固執する人の気持ちがいまいちよくわからないが、彼女にとっては死活問題なのだろう。
メイド長のスタイルは決して悪いとは思えないのだがこれ以上は書かないことにする。