□月 ●日  No1130 食料に関するあれこれ


香霖堂で色々噂話に興じる。
今年の幻想郷は天候不順も重なって作物の収穫量が少なめらしい。
秋姉妹仕事しろと言いたいところだが、天候不順の状況で無理に実りを増やすと
今度は土地が痩せてしまうのでバランスどりが難しくなりそうである。


里香女史はここ数年幻想郷に多量のカミが侵入したことで辛うじて保たれていたバランスが
崩れたのが原因と分析していた。 確かにここ数年、ヤサカ様などの強力なカミが幻想郷に
具現化しながら流入しているし、月面戦争の影響でカミ様の動きが微妙ながら違うのも
問題を助長していると思われる。 むしろこの程度で済んでいることが奇跡かも知れない。
正確な天候予測が出来る故なのだろう。


問題は野生動物たちもまた人里へ下りてしまうケースが散見されていることだ。
彼らもまた食糧難なのだろう。 妖怪たちがいれば彼らが追い払うことになっている。
人間が追い払ってもよいのだろうが妖怪たちが追い払った方が被害が少ないのは間違いない。


今日もクマが人里に下りて騒ぎになった。
人間たちが食糧確保のために山に出入りしているので彼らの食糧が割を食ったのだろう。
人間を見つけて恐怖のあまり襲いかかってしまったようだ。
何人か怪我人を出した後、クマは弾幕の餌食となってしまった。
スペルカードの威力をまざまざと見せつけられた恰好だ。


だが問題はそこからだ。
クマは結局埋葬されると思っていたのだが、バラバラに解体されて燻製にされていた。
毛皮ははぎ取られて冬を凌ぐ防寒具になるのだという。
燻製になった肉はツボに詰められることになる。 冬場の緊急食料である。


食べ物が確保できないなら外の世界から届ければいいのだろうが、もちろん限界はある。
こちらとしても規定以上の食料を運ぶことができないのだ。
これは幻想郷の産業を守る為の措置である。 


香霖のところでも食糧の備蓄を始めているらしい。
なぜか数人分の食料を備蓄しているので何故かと尋ねると、店に紅白のアレが入って来た。
「あああれか」と香霖に尋ねると
「そうだあれ」という返答。
きょとんとした顔の博麗の巫女を尻目に会社への帰途へついた。


私も食料を備蓄すべきなのだろうか。
朝倉にはその必要はないと言われているが セーフハウスに食べ物を保存してもよいのでは
思っている。