□月 ●日  No1212 そういやなにか忘れてる


最近、というかいつものことながら朝倉の機嫌が悪くて怖い。
それもこれも霊能局の小兎姫が公務だとかでクリスマスの予定をいれてしまったからだ。
避雷針を失った今、どう立ち回るか本気で考えている。
幻想郷に逃げるとして逃げるとしたら地下が一番だろう。
古明地姉妹に事情を説明し、朝倉が近づけば知らせてもらえるようにするのがベターだろう。


そんな折、ナズ軍曹から相談を持ちかけられる。
大師様がクリスマスに興味を持っているのだそうだ。
彼女の世代ではクリスマスなんてものはないだろうから軍曹が不審がるのは当然だ。
ナズ軍曹は大師様にとりあえず縁日のようなものと言ったらしい。
「色々な意味で大体あってる」と言わざるを得ない。


しかし、何故大師様がクリスマスに興味を抱いたのか疑問だ。
知らない物は探さないのが人間の基本である。
疑問は一輪嬢の話で氷解した。 どうやら朝倉が命蓮寺にやってきたのだそうだ。
朝倉の姿を見た鵺は顔が真っ青になっていたらしい。


朝倉曰く、親睦を深めると言っているが断言できる。絶対それはない。
何も知らない命蓮寺の連中と飲み歩いて時間を潰すつもりに違いない。
そもそも朝倉は用が無い限り幻想郷に行くことがない。
顕界にいるのが忙しいとも言えるが何かしらコンプレックスでもあるのだろうか。
とにかく、一輪嬢や、鵺、大師様あたりを狙ってやってくる野郎どもの貞操が危ない。


阻止できないのかとナズ軍曹に尋ねると、
鵺はすぐに私無理と匙を投げ、一輪嬢に依頼しても雲山がいやがっているそうだ。
一体何があったのだろう。
船長はイベントで、電飾聖輦船を空に飛ばすらしい。


肝心の朝倉だが、大師様と遊びに行く約束をとりつけたそうでとりあえず平静を取り戻した。
とにかく当日に何か大きな問題を起こさないことを切に願いたい。