□月 ●日  No1455 楽しい会食


成り行きで皆でファミレスに足を運ぶ。居酒屋なら皆で足を運ぶことがあってもファミレスとなると勝手が違う。
メニューを見て妖怪達皆が凍り付く。 何を頼んで良いのか分からない。


ボスが岡崎に助けを求めたのを見たのは初めてだ。
いや、岡崎と北白河のファミレス通振りが凄いとも言う。
聞けばドリンクバーで四時間粘ったと豪語しており、店にとってこれほど迷惑な
奴は居ないと言い切ることができるだろう。


この二人、ファミレスや弁当などに関する知識は飛び抜けて高い。
会議になったら取りあえず二人を呼べば、皆の好みに合わせて
弁当店を選んでおいてくれる。 主要メンバーに合わせるそのバリエーションは
まさに技ありと言うべきだろう。


魂魄やボスは岡崎のアドバイス通りの注文をする。 
とりあえずそれだけで特に問題はないように思える。
里香女史にこれならカロリーは低いですよとアドバイスする様はとても頼もしい。
浅間はいつものように中ジョッキを頼んでいた。


朝倉や私は思い思いの物を頼む。味を知らないわけではないし、出張時は利用するから
大体決まった物を選んでしまう。朝倉も一人暮らしで面倒な場合は外食に頼る日もあるらしい。
だが、彼女の場合はデパートの総菜売り場で見かけることが多い。


途中、子供連れのママさん軍団がやってくる。
場所を弁えず大騒ぎを始めるグループ。
子供達はドリンクバーとスープバーを占拠して他の人に迷惑である。
朝倉にセクハラ行為をする勇者がいるのだが、親は口でやめなさいと言うばかりで
ちっとも止めようとしない。 


魂魄の顔色が変わって、私もやや苛々している。
ボスが怒らないうちに釘を刺すかと思ったら、明羅女史と朝倉が
空気を読まずに子供と戯れ始めた。
朝倉、どうみてもセクハラ行為がまんざらでもなかったらしく、子供にアイスクリームを
とか言い出して本気で唖然とする。


そして本当に子供の席にアイスクリームが置かれた瞬間、ママさんの顔色が変わった。
朝倉が「大丈夫です、こちらでお出ししますから」と言ったら、居られなくなったのか
アイスだけ子供と食べて帰ってしまった。 


朝倉が余計なことをしたかしらと言っていたが、岡崎がよくやったと褒めていたのが
印象的だった。 いや、問題は絶対そこじゃないと思うのだが、とりあえずファミレスに
平和が訪れた。

それにしても明羅女史の子供好きポーズがわざとらしすぎて思わず引いた。
触られて汚れた部分を思わず払いのけていたからだ。
色々切ない気分になったのは言うまでもない。