□月 ●日  No1842 正しい台風のやり過ごし方


台風が近づいているそうだがうちの会社は今日の平常運転である。
電車が止まるとさすがに、うちの物資輸送列車も止まるのでその辺の根回しはしないとならないが
大体は前日 前々日の段階で連絡がついているので問題はない。
幻想郷に行っている連中は顕界に戻れませんという通知が行っているだろう。


台風対策という場合うちの連中ときたら会社内で暇をつぶしているケースが多い。
第一早めに帰宅しようとして電車の足が乱れていれば家に着くのは深夜になる。
しかもここには妖怪も多数在籍している。会社に住んでいるような奴も結構居て、
どうせだったらここでゴロゴロしていようって考える奴も結構居る。
お菓子や食べ物の類、飲物も充分飲めるのでとりあえず会社の休憩室で台風の成り行きを観察。
夜半まで粘っていれば自家用車で帰ることができそうだ。


朝倉は、ため込んだ伝票の処理をやっている。
おおかた経費の処理といったところか。普段出来ないことをしておくのも良いかもしれない。
魂魄はというと北白河相手にチンチロをやっていた。
二人とも大マジになっており、ギャラリーも出ている。問題は魂魄が負けまくっていることだろう。
ギャンブラーとしてのスキルはたぶん北白河の方が上だ。


帰れない奴といえば綿月依姫や豊姫は岡崎と一緒に休憩室で横になりつつ、煎餅をかじりながら
テレビに釘付けになっている。月の都では台風は結構珍しいそうだ。環境コントロールセンターが
トチらなければ、このような現象は起こらないわけだ。
豊姫はだれが賠償金を支払うのでしょうと聞いていたが、自然現象だから賠償しようがないと
告げると、それはそれで不便だと返された。 あっちはあっちの常識があるようだ。


夕方瞬停電。コンピューターはUPSが働いて落ちることはない。地下にあるサブ電源で会社が回り出す。
テレビが消えて岡崎が文句を言っている。 朝倉が机から卓上ラジオを取り出しておもむろに
聞き始めた。 あんたの机の中にはいったい何が入っているというのだ。
魂魄が、これくらい暗がりだとなにか良い気分にならないかと尋ねるので「なるか」と突っ込みをいれた。
朝倉が「それだ」と叫んだのでみんなでピコぽんハンマーで殴りマットに沈めた。


結局みんなで途中まで処理された伝票整理をすることになった。 南無。