□月 ●日  No1474 闇プログラム


朝倉が血相を変えてディスクは何処だと言って騒いでいる。
実際知らないので知らないと答えたらいずこかへと姿を消した。
魂魄に一体何を探しているのかと尋ねると、闇プログラマが作った違法スペカプログラムらしい。


違法スペカプログラム。
そもそもスペルカードというのはプログラムで動いている。
基本的に弾幕一個一個の挙動はプリセットされた計算式に基づき軌道が決まる仕組みだ。
しかしスペルカードの機能はこれだけではない。
むしろスペルカードの本質は収納力と言って良い。 大量の弾幕を格納できる所謂
収納的利用法である。 我々はこれをクロークと呼んでいる。


とどのつまりスペルカードは魔法プリセットとして結構自由度が高いということだ。
ゆえに本来の目的から外れた違法プログラムが存在する。
そういうものを専門に作る妖怪とかもいて、彼らは「闇プログラマ」と呼んでいたりするらしい。


魂魄と一緒にディスクを探し始める。
次に尋ねたのは北白河。 ディスクのありかはわからなかったがどんなプログラムかは
取りあえず判明した。
スペルカードが破られたとき、結界を解いて安全のため弾幕の削除処理が行われるのだが
どうもその際、衣服が消去してしまうらしい。
北白河が手伝ってくれることになった。 我々に見つけられたら困ると言いたいらしい。
自分たちがどう思われているのか何となく分かって愕然とする。


浅間にディスクのありかを聞いてみる。
ちょっと前に朝倉が聞いてきたらしい。 どこにあるかは皆目検討がつかない。
するとたまたま通りかかった岡崎がさらっと言った。
メリーとレンコがディスクを持っているとのこと。 
自分が持っているスペカエンジンのアップデートプログラムと勘違いしているらしい。
岡崎は彼女たちが持っている端末のアップデートの仕方を教えたというのだ。


これは素晴らしもとい、大変な事態だ。 
二人の派遣先に向かって先回りをすることにする。里香女史に頼み込み高速列車を確保。
4人で突撃する。 魂魄がやもすればとか巫山戯たことを言っているがパイプ椅子の前に
再び沈黙することになった。


我々が辿り着いたとき、そこでは弾幕戦が始まっていた。
二人はスペカを実行したのか。戦慄が走る。 魂魄がカメラを持ってきて良かったと言っている。
グッドジョブである。
二人がスペカを実行した瞬間。 
大量のゴミが降ってきた。 相手の妖怪はたまらず逃げた。


あとで分かったことがだが、弾幕を格納する論理格納庫のアドレスが正しくない
闇プログラムだったらしい。 とりあえずゴミまみれになっておいおい泣いている
メリーとレンコを回収しつつ帰路に就いた。
ゴミはどうしようもないので重機を呼んで回収する羽目になった。


魂魄は旅に出ると言って姿を消したがそれはそれである。