○月 △日  No357 米帝のメイドロボ出陣


朝出勤すると、見慣れないメイド服の女の子が机の上を拭いている。
新入社員にメイド服を着せる奴は一名しか考えられないので問い詰めたら、
米帝からやってきたメイド型ロボットらしい。


ロボということで何かしらの軋轢が起こるかと思いきや
普通に新入社員として扱われている。 あまりのナチュラルさに驚くことしきり。
だが、その疑問は当のメイドロボも抱いていたようだ。


そのヴィヴィットとかいうメイドロボが、「何故ここの人は私に驚かないのですか」と聞いてきた。
ボスに目配せしたらこくりと頷いたので
「ここの連中は人間やめている奴ばかりだから慣れている」と答えてやった。
想定外の回答だったのかメイドロボは目をぱちくりさせている。


動く人形なんかは霊能局から押しつけられるやつで慣れているし、
私なんかは、薬師のところで働いているメディスンとかいう人形を知っているだけに
驚く要素はない。 そんなものだから会社の人間もメイドロボごときで驚きはしないのだ。


横から魂魄が割り込んできた。
「いいか、間違ってもあの女の習性だけは学習するな」指さした先は朝倉だった。
パイプ椅子で殴られて悶絶する魂魄を尻目に北白河はこう言った。
「言うこと聞かない馬鹿はこの椅子でなぐるといい」
岡崎はパイプ椅子を掲げている北白河を見て
「それよりも殴打拘束監禁洗脳の方が効果的よ」と言い。
それを見た冴月が
「あまりやりすぎると無反省になるわよ」と言った。


朝倉は怒り出すかと思ったら、私に手招きをしてくる。
「まさか彼女を幻想郷に連れて行く気なのか」と聞いたら
朝倉は涼しい顔をしながら「そのまさかよ」と答えた。