八雲商事の連中はひどく軽装だ。 端末と追加バッテリー以外はマジで何も持ってない。
もちろんタネはあって、端末から吐き出すことができるアイテムボックスで
ある程度の装備は確保できるからである。 もっともボックスだってそれなりに大きなサイズなので
どこでも展開できるとはいい難いようだ。
これの意味するところ彼らの命が軽いということだ。
まるで要注意団体のDクラス職員も真っ青な命の軽さだ。
まったくもって自殺志願者のような軽装である。
もっとも重武装であっても、安全にここを乗り切れるかどうかは
正直微妙である。ほぼ間違いなく相当訓練されていても一度ここの住民と
敵対行動を取ったら最後、生きて帰ることは至難と言える。
これは継戦能力の差によるものだと推察される。
ゆえに八雲商事の連中は継戦能力とかも一切合切かなぐり捨てているともいえる。
変に武装して敵対しているように見えるよりはましと考えている可能性もある。
問題はそう、どうやってここから脱出するかということだ。