■月 ●日 No5009
顕界にある洩矢神社を収容しようとする団体と、08が交戦中
完全武装状態の小兎姫、櫻崎とほかの戦闘要員も駆り出される。
それはどうみても戦闘にそぐわない姿と言えた。方や巫女服、
方や和装に身を包んでいるのだから
現代の戦闘服に身を包んだ者は確実に面食らうことだろう。
問題は。
「警察よ」
叫ぶ小兎姫だが、絵面がとても締まらない。
しかも相手は小兎姫たちが完全武装していることにすら気づかない。
いいところが、コスプレ集団とか変な宗教団体の一人と思われている。
もっとも小兎姫が自分を注目させるのは理由がある。
人工陰陽玉「ギョク」とは櫻崎が使用する陰陽玉型ドローンである。
博麗の巫女が使用する陰陽玉に似せて作られたドローンは、
博麗の巫女が運用する以上に複雑なふるまいを見せることが出来る。
そのひとつが、光学迷彩で姿を隠し、認識範囲外からの攻撃を
仕掛けるというものである。
そして小兎姫の一言によりほんの少し意識が傾かせることができれば
もはやギョクを阻むものは誰もいなかった。
その場にいた5名程度の兵士がたちまち戦闘不能に追い込まれてしまう。
残った者も小兎姫の映画の主人公のような動きにより
いともあっさり、戦闘不能に追い込まれた。
「アズマ、戦闘不能者を直ちに拘束、ムーブ!」
「はいはい、キリキリ働きますよ」
小兎姫の号令により、アズマと呼ばれた男が手馴れた手つきで
兵士たちを拘束していく。少し経つとさらに増えた小兎姫の部下たちが
兵士たちを拘束連行していった。
「まったく、彼らに信仰なんてものはないのかしら?」
当事者からしたらお前が言うなと言われそうなことを小兎姫は独り言ちた。