■月 ●日  No5301

 スペルカードには通常のスペルカードと当社が利用する疑似スペルカードがあります。
 疑似スペルカードとは、そもそもカードを使用せず、携帯端末から呼び出す代物です。
 また、動作制約もだいぶ違います。疑似スペルカードでは、物理物体を大量に
 運び込むことが出来る特性がある反面、大量に電力を消費します。
 つまるところ疑似スペルカードの実態は無理やり実現した隙間妖怪の挙動の
 再現とすることもできます。問題は電力だけじゃなくて、自分の持っている魔力
 キャパまで消費するってクソ仕様であることです。
 
 はい、いまだに幻想郷に物資を運ぶ際に列車から離れられない理由はそれです。
 列車のほうがはるかに安全に大量に物資を運べる点は変わらないのです。
 ついでに言いますと疑似スペルカードと言えど物資を運ぶには容量が足りません。
 私が運んでいる特別注文品ならまだなんとかなりますが、それ以外では
 とても使えないのです。

 魂魄くらいになってくると、バリケードを建てたり、ドローンを大量召喚したり
 複雑な運用ができるんですけどね。
 魂魄ですらドローンとしているのは、放出後の制御は現代技術を使うしかないという
 制約があるためであり、それはそれで使いづらいと言えそうです。
 面倒な話だ。

 

 

 

 

           

■月 ●日  No5300

 まあ、岡崎の有能さってマジで凄いと思ってる。
 まさか、うちの列車に武装列車並みの武装が搭載されているとは。
 というか、そういうことすら伝わらないうちの会社の連絡網の弱さ悲惨すぎ。
 えっ、SNSグループウェアで配信済みですか? 読んでねえわ。
 ダメっぽいなこれ。

 いやね、先日の案件でもいざとなったら武装列車の武装を利用しても
 よかったのね。ただ、出来る限り顕界の兵器を使ったほうがいいと思うのが
 個人的な感想。幻想の兵器を利用して相手に情報を与える必要なんて
 ナッシングだと思うんですよ私は。
 
 武装列車の大容量スペルカードが使えるということは
 私の装備も改良されているわけで、クロークカードで機関砲や
 機関銃が使えるようになっているのもその一つ。
 その気になればセントリーガンも使用できると思う。
 誤爆確定で、とてもじゃないが使えたもんじゃないが、
 自爆覚悟なら相手に一矢報いるのに使ってもいいかもしれん。

 スペルカード? もうあきらめるかって感じです。
 ただクロークカードは協力ではあるが、結局設置工事が
 必要なので、遭遇戦にはろくに使えないのであった。
 なーむー。 

 

 

 

           

■月 ●日  No5299

 岡崎さんから相談がありました。
 なんでもゼロハチで使っていたスペルカード砲台を
 安く引き取りませんかとのこと。ゼロハチも軍縮とやらでかなり大変みたいです。
 特に湯水のように使用していた研究開発費が削られているらしい。
 まあ、岡崎さんの部署はあまりダメージがないらしい。
 というのも彼女、貧乏生活長すぎて、経費の無駄遣いが殆どないんだとか。

 研究開発費と言っても、どちらかというと月面戦争を目的とした基礎研究の類が
 削られているんだとか。ところがですね、あんまりルールがガバガバだったのか
 月面戦争が終わるとともに資金ショートに。
 そうなると、どこからか予算を捻出と言う流れになるのですが
 そこで白羽の矢が立ったのが、輸送手段防衛用に開発された武装列車です。

 武装列車で使っているスペカ砲台はまあ霊能局で使うにはあまりに
 巨大すぎるので、今回はご遠慮させていただきました。
 後日超小型化したスペカ砲台を拝見して自分の考えが間違っていなかったことを
 確信しています。
 

 

 

 

           

■月 ●日  No5298

 八雲商事にある武装列車は、輸送列車が危険にさらされたとき用に存在している
 特殊車両です。しかしそんな武装列車も最近はいくつかがお役御免となっています。
 というのも、スペルカード発射システムが極端に小型化したためです。

 スペルカードが持つ防御機構を連続運用すれば、防御面も問題なく
 武装列車にあった装甲版は、加速は遅いわ、燃費は最悪というどうしようもない
 代物であり、さらに言えば古い防御機構はほとんど走る棺桶となっている。
 つまり社内で残っている武装列車は軽車両と言われる。小型かつ軽量な武装列車
 だけというなんとも言えないことになってるのだ。
 つまりカーンカーン。
 
 で、武装なのだが、通常の輸送列車である程度戦闘が可能であることは
 岡崎が開発した対月面戦闘輸送列車 インディペンデンスとフリーダムが
 証明してしまったのである。
  
 ちなみに、この二機が輸送しているのは大量の妖精であり
 いくら駆除しても指数関数的に増える妖精たちが月面に舞い降りた時点で
 月面戦争の趨勢は決していた。隙間妖怪も博麗の巫女も、魂魄たちも
 あるいは朝倉でさえ、この件については全てが囮である。
 戦争後も放置された妖精が勝手に増加したため、あのインシデントになったのでした。

 で武装列車だけど、重機のエサになるわけないじゃん。
 架台だって高性能だし、もったいないでしょ。
 しっかり魔改造されて今乗ってるけど、妙に居住性がよくてなんかむかつく。 



 

           

■月 ●日  No5297

 たまにうざいこと。小兎姫とか櫻崎とか、最近だと真壁さんまで
 うちの会社のAランチ狙ってきていること。
 だいたい、本部が近所にあることが問題だし、ほとんど居座っている
 取引先みたいな状態であって、彼らはこっちに営業していると
 主張しているのである。いや営業するのはこっちであり
 オマエラではないのだ。いい加減にしろ。

 おかげで今日もAランチ争奪戦に敗北した。
 そりゃそうだ。あいつらは時間関係なしに出没する。
 だが我々はそうはいかんのだ。お昼になって移動している間には
 戦争は終わっているのだ。

 あまりにひどいので抽選にしろと言ったが
 そしたら能力差で、抽選確率が変化するので
 結局ダメだってことになった。まあ考えてみればそれくらいできるの
 ゴロゴロしているんだった。

 あとで櫻崎さんが実はBランチを頼んでいたことが発覚して
 彼女は天使認定された。 もうしょうもないが仕方ないのだ。
 食べ物の恨みは恐ろしいのである。

 

 

 

           

■月 ●日  No5296

 うちの会社が超絶ブラックと呼ばれる理由ってのはいくつかある。
 たとえば病気になっても無理矢理出社させるとかがそう。
 まさに前時代的だが、そもそもなんで出社するかって
 顕界の病院行くより八雲商事ルートの病院行った方が
 早く治療できるからである。 
 傍から見たら普通に出社させる意味で厄介だ。

 もっと厄介なのが、身障者も普通に働かせるである。
 ここで問題だが、当然彼らも八雲商事によって矯正治療される。
 そんなことになったら何が起こるかだいたいわかるね。

 後天的に身体機能がなくなった場合、当然障碍者手帳の
 返納などが発生して大混乱することになる。
 あまりやりすぎちゃいけない。もっともこの手法は
 効く人と効かない人がいる。
 
 まあ大体が誤解と言うより傍から見たらブラックなので
 しかたないんだけどな。
 実態はこうですよって話です。



 

           

■月 ●日  No5295

 朝倉が幻想郷内部で実験を繰り返している。
 月面戦争は終わったが、現代ではそこで得られたテクノロジで
 様々なイノベーションを起こしましょうって流れである。
 伊弉諾物質と呼ばれるメモリ機構の応用も一つだが
 これについては、利用にかなり慎重になっている。
 
 これな 内容を聞けば聞くほど事故はおこるさコースであり
 もう封印しちまうかって話になってる。
 理由は簡単、八雲商事で作成したシステムよりとんでもなく不安定であり
 言っちまえば特定のカミが手を貸してどうにかこうにか維持できるクソ
 仕様なのだ。こんな属人的なシステム、月面戦争で使えるわけねえ
 ってわけでして。

 ちなみに暴発すれば確実に記憶の混濁を含めた事故が発生する。
 場合によっては認知症も発生する。この認知症は 正確には
 認知機能の障害であり、記憶がなくなるのではなく
 ほかの記憶が混ざりだすもっとやばいやつ。

 これを見ていると朝倉がなんでコスプレしてまで、能力利用を
 限定しているかがよくわかる。
 安全装置が多くいざとなったら仮想環境ごとパージする。
 それが正しい運用なんだと思う。