◎月 ○日  No285 幻想郷におけるゴミ問題


会社の近くでゴミ集積所建設反対の市民運動が開かれているらしく
煩いといったらありゃしない。
ゴミ問題は多くの利権が絡んでおり、物事は単純ではない。
市民運動でどうにかできれば苦労はない。
技術的にはゴミを減らす方法はいくらでもあるし、
米帝では生ゴミは流しに流すと相場が決まっている。
わざわざ焼却してダイオキシンを出しているのは本当を言えば正気の沙汰ではない。


幻想郷のゴミはどうなのか? 実はゴミはほとんど出ない。
徹底したリサイクルがなされている。
幻想郷には職商人(しょくあきんど)と呼ばれるリサイクルと
下取りを生業とする者がいる。
香霖堂もどちらかといえば職商人の一種であろう。
衣服も再利用を重ね最後は雑巾になる。
これは単純に幻想郷の資源が限られているからである。

 
しかしリサイクルが難しいのもある。
それは、妖怪たちの衣服だ。 妖怪の衣服はフリルなどの装飾が多く
分解しても再利用が難しい。
そこで妖怪たちの衣服を配達するときに古着も同時に引き取ることになっている。
ところが最近、古着の数がどうしても合わなくなってきた。
妖怪専門の古着は、決闘によってボロボロで実用に耐えない。
うちで引き取っても産業廃棄物扱いとなる。
幻想郷にもマニアがいるということだろう。
ちなみにだが、妖怪の衣服といえども横流ししたら業務上横領となる。
最近、私に妖怪たちの衣服を融通してくれと頼む連中が多いので辟易している。
本音を言えばお持ち帰りしたい衣服もあるにはあるがそこまで堕ちてはいない。