□月 ●日  No1036 白玉楼と食費


白玉楼のエンゲル係数が90%を超えたらしい。
北白河の作った資料で判明した。


冗談かどうかか分からないが魂魄に言わせると白玉楼の主人の食べ物はとにかく量が命らしい。
味はともかくとして、喰えればいいらしい。 
魂魄が泥と小麦粉を混ぜてクッキーにしても喰うと言っていたが
洒落に聞こえてこない。 もっとも案の定たまたま聞いていた朝倉に殴られていたが。


もっともエンゲル係数が増える要因は割と単純だ。
そもそも冥界では被服代や光熱費が掛らない。 
食費の割合が増えるのだからエンゲル係数が増えやすい。
また維持についても意外と器用なお庭番のお陰で低コストで済んでいる上
亡霊たちには給料が要らないのもとても大きい。


また、意外と白玉楼には来客が多い。 そもそもお庭番を雇う理由は
傍から見て綺麗な庭でなくてはいけないからに他ならない。
それは多くの場合隙間妖怪など妖怪のVIPであるため、おもてなしに出すお茶菓子は
自然と高額の物となる。
泥を混ぜたクッキーなんてもってのほかだろう。


ボスに言わせれば、白玉楼は幻想郷で政治事を話し合うための料亭のような役割を果たしているのだという。
たしかにここなら天狗たちの襲撃に遭いにくいし、一応は静かなのでちょっとした悪巧みをするには
丁度いい場所であると思う。 
それに主人自身、実際月のレイシストどもを向こうに回してきっちり仕事をしてきているのだから
相当出来る人物なのは間違いないことである。
そうでなければ冥界で幽霊どもを監視する仕事なんてできはしない。


そんな話をしていたら、魂魄が朝倉にピコぽんハンマーで殴られていた。
お庭番時代に変なものを食べさせていたのだろうということで、切れているようだ。
泥を混ぜることはないものの、絶対現役時代何か混ぜていたことは間違いないと思った。