□月 ●日  No1309 この紋所が目に入らぬか


八雲商事の休憩室。畳敷きのこの部屋は完全にボスの趣味である。
休憩時間になるとうちの面子がここでお茶を飲んだりお菓子を食べたりする。
ここにあるテレビで毎度映されるのが時代劇。 
休憩時間帯だとやっている番組と言ったら時代劇かニュースくらいなのだからそうなってしまう。


この時代劇、妖怪達が見ると結構懐かしいものに映ると思いきや冴月や魂魄など
真っ先に、こんな台詞を吐かないとかこんな建物はなかったとか重箱の隅を突きまくる。
気持ちはわからなくもない。 
幻想郷に携われば時代劇の世界観がやっぱりどこかおかしいことが判るのである。
突っ込むのは野暮だとは思うが。


妖怪は寿命が長いだけに突っ込みのパターンも多数であるが、やはり笑えるのは
この人物はこんな奴じゃないという突っ込みだろう。
気持ちはわからなくもない。
自分の知っている人が悪く書かれたら気分が良いはずがない。それが極端に美化されすぎても
ねえよと突っ込みたくなるのは妖怪も人間も同じらしい。


特に傑作だったのは、印籠を掲げながら諸国を漫遊するメイン三人組だろう。
ここで突っ込みのパターンが二つに分かれるのが八雲商事流だ。
一つは役者の問題。 従者の役をやっている人が今は主役だという。
何年この番組を見ているのだと突っ込みたくなる。


もっとも酷いのは隙間妖怪の発言だ。 この人物は素行不良だという。
実際問題として公務をなげうって諸国漫遊するような人だから
不良であることは間違いないのだろうが、毎晩お酒を飲むために城を抜け出していた
そうである。なんとも凄い話である。


余談だが朝倉のの発言も酷い。
当時の人間はこんなに化粧してないというのだ。
言いたいことは判る。それ位許してやれと言ったらだからドラマは駄目だと言う。
面倒だから時代劇なんて見るなと思うのが私の意見である。