□月 ●日  No1557 留学したいというけれど


幻想郷にて学業で身を立てたい奴って言うのはそれなりにいて、
そういうのは幻想郷の場合、裕福な次男坊だったりする。
長男は家を継ぐのでそんなことをやっている場合ではないからだ。


そういう人間は本当に変わり者も多い。知識を手に入れるためには手段を選ばないため
たとえば無縁塚で本を入手するなどする者もいる。紅魔館の図書館を利用しないのかと
思われるかも知れないが、あの図書館を知ってる人は結構限られている。
それよりは無縁塚に落ちている本の方が色々面白い本が落ちているケースが多いからだ。
この手の人間は無縁塚のオタク幽霊を仲間に付けて護衛して貰ってるという有様である。


では、彼らが幻想郷の外にあこがれを持つのかって話なのだが
多くの場合それはない、というよりは無くなったと言える。
まず外の世界の情勢は意外と漏れ伝わっている点にある。
無理に外の世界に行くくらいなら、河童達に知識を学んだ方が楽である。


ではこの日記に書く必要はないのではないかって?
そう、今最近問題となっているのは、月の技術を盗むために月に行きたがる
困った人が増えていることにある。
密入国者をこちらでも取り締まってくれという通達が来たのだ。


基本的にルールは顕界から幻想郷ルートと同じとはいえ
幻想郷だと魔法で身を隠す奴もいるからなかなか上手くいかない。
もっとも仮に侵入に成功したところでもちろん密入国者だから、
そんな人たちが煮るなり焼かれたりしても我々としては関知できない。


遺体になって戻ってきた人はというと中有の路でまた取り調べを受けることになる。
死人に口なしとはならないのが幻想郷だ。
亡霊になっても知識は持ち帰れるので、そうなれば本望って言ってる人を見るに
つけ、学問も結構業が深いなあと思う次第である。