□月 ●日  No1745 省力化にもほどがある


幻想郷からやってきた住民たちに外の世界を慣れさせることは色々大変であるが
その中でも特に大変なのは食文化の大きな違いであることは間違いない。
特に冷蔵庫の概念とレトルト食品の概念を説明するのが色々難しい。
今回はそういう話題。


冴月から聞いたのだが特に酷かったのは朝倉の動きだったらしい。
カップ麺をボスから渡されて、これは食べ物なのか食べられるのかと憤慨してみたり
レトルト食品の意味がわからず、容器から外して調理をはじめてしまうこともあったらしい。
もっともそういう調理方法はあるので別に間違っていないのだが。


基本的に幻想郷からやってきた住民は食べ物を作るのに相当の手間が掛かることを
重々承知している。顕界と手間が圧倒的に違うのだ。
幻想郷ではまず宛のない材料集めからはじめるしかない。もちろん市場在庫に
幾つか物はあるのでお金さえあればそれができるが、出来ないのなら採集したものを
売ってお金にしてから材料を買うしかない。


幻想郷でレトルトといえば瓶詰めと相場が決まっている。瓶詰めによって
食料の保管能力を上げることで幻想郷の食料をより安定して供給することができる。
漬け物も食料備蓄のために絶対必要なものだ。 
こうしたものも自前で作らないといけないことを考えれば顕界はとても恵まれていると
いえるわけである。


朝倉自身、飯が好きなときに食べられることが何より幸せなことだと
我々にしつこく言う。魔法使いになりたがる人が多かったのも飢えから
身を守るためだった人が多かったという。そうした魔法使いの大半は
事故で亡くなったらしい。


だからって、レトルト食品一つで夜ご飯っておかしくないか?
いや給料前とか、足りない栄養素は魔力で補うとか別にしてだな。
小兎姫からお金借りるとかしないのか?